茨城港湾事務所の管理などを行う第三セクター、㈱茨城ポートオーソリティ(東海村照沼、榊真一社長、通称IPAC)は、本年度を初年度とする第二次中期経営計画(2012~14年度)をまとめた。震災からの復旧復興や既存事業の拡充といった6項目の重点施策を掲げている。また新規事業として(仮)港湾合同ビルの整備を計画に盛り込んだ。そのほか大洗港フェリーターミナルビル(大洗町港中央1)の修繕などを行う。
第二次中期経営計画では、①震災復旧・復興の取り組み②既存事業の拡充③新規事業への取り組み④財務体質の強化⑤組織体制の強化⑥ワークライフバランスの推進といった6項目の重点施策を掲げた。
このうち新規事業の(仮)港湾合同ビルは、防災機能を備えた施設として港湾関連用地内に整備予定。2007年度に吸収した、ひたちなか都市開発の部門事業として盛り込まれた。
港内で津波が避けきれなかったことから、一時避難所としての役割を持たせるほか、進出企業への足掛かりとなるテナント機能、そして税関や入関、海保といった機関の拠点も視野に入れる。本年度は港利用者向けのテナント要望など、アンケート調査やセミナーなどを予定している。
また既存事業の拡充では、大洗港フェリーターミナルビルで省エネ・防災などの機能強化を図りながら長期修繕計画を見直し、今後の大規模修繕に備える。
同ビルは、以前からバリアフリー化として進めていたボーディングブリッジやエレベーター設置工事が、津波被害の修繕工事とともに完了。ただ築20年以上が経過していることから、エアコンなども順次交換する方針。また天井やスロープの設置を予定している。
そのほか老朽化が進む既存施設の修繕資金や新規設備投資などに対応するため、財務体質の強化を図っていく。
重点施策の内容は次のとおり。
①震災復旧・復興の取り組み
国や県が進める港湾施設の本年度内完全復旧に併せ、自社施設も利用者のニーズに沿って速やかに修繕工事を進め、利用再開とサービス提供を最優先施策とする。
②既存事業の充実と強化
社の中核事業は県からの受託費が占める割合が高い構造となっており、引き続き、物流倉庫や荷役機械等の安定提供を行うとともに、東京電力常陸那珂火力発電所2号機の本格稼働により業務量の増加が見込まれる船舶代理店業務等に適切に対応していく。
また、1994年に建設した「大洗港フェリーターミナルビル」については、省エネ・防災などの機能強化をはかりながら、長期修繕計画を見直し、今後の大規模修繕に備えていく。
③新規事業への取り組み
港湾関連用地を活用し防災機能を備えた「(仮称)港湾合同ビル」の整備について調査・検討を進め、港湾進出利用企業などの二ーズに適切に対応していく。