浦安市は現在、順天堂大学医学部附属浦安病院増築計画に係る地区計画の手続きを進めており、20日までに地区計画原案の縦覧を終えた。今後、11月上旬に案の縦覧を行い、12月の都市計画審議会に付議、年明け1月の決定・告示を予定している。高度利用型の地区計画を適用することで、容積率の最高限度を300%(現行は200%)に緩和し、地域医療及び救急医療の中心的な施設の充実を図る。同増築計画については現在、日本設計で基本設計が進められており、来年秋の着工、2015年度の開院を予定している。
地区計画の名称は、順天堂大学医学部附属浦安病院地区地区計画、位置は浦安市富岡2丁目の一部、面積は約2.0ha。同病院は、県の保健医療計画で救命救急センター及び災害拠点病院に位置づけられており、昨年度末には県から132床の増床が許可されている。これを受けて同病院では、増築と既存建物の改修を計画していることから、地域における安定した医療体制の確保と質の高い地域医療サービスの提供、土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新を目標に掲げ、地区計画を定めることにした。
区域の整備・開発及び保全に関する方針のうち土地利用の方針は、土地の高度利用を図ることで、地域医療及び救急医療の中心的な施設の充実を図る。また、道路に沿って空地を確保することにより、安全な歩行空間を確保する。さらに、一定以上の植栽や屋上緑化等により環境負荷の低減を図る。
建築物等の整備方針は、地区計画の目標及び土地利用の方針に基づき、「建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)の最高限度」「建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(同)の最低限度」「建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)の最高限度」「建築物の建築面積の最低限度」及び「建築物の壁面の位置の制限」を定めるなど。
これに従って地区整備計画では、建築物の容積率の最高限度を300%、同最低限度を200%、建築物の建ぺい率の最高限度を60%(ただし、建築基準法第53条第3項第2号に定める建築物は70%)、建築物の建築面積の最低限度を200㎡(ただし、建築物の敷地が地区計画区域の内外にわたる場合は、この限りでない)とするほか、壁面の位置の制限(1号壁面は道路境界線から3m以上、2号壁面は同2m以上、隣地壁面は同1m以上)や垣又はさくの制限も併せて設ける。なお、現在の都市計画用途地域は第1種中高層住居専用地域及び第1種住居地域(道路側)で、容積率200%、建ぺい率60%。
増築は、敷地内の一部施設を撤去したうえで、RC造地下2階地上8階(塔屋1階)建て、延べ約1万5300㎡規模で計画しており、昨年度末の増床許可に対応するほか、増築後に既存建物の改修を行うことで、外来部門や検査室、新生児集中治療室(NICU)、救命センター、ICU、COUなどについても再構築し、機能の充実を図る。
同病院は、東京ディズニーランドがオープンした翌年の1984年に250床の病院として開院。その後、増築や増床を重ね、現在の病床数は653床。本館及び2号館は清水建設が施工した。ほとんどの診療科を備える県内有数の総合病院として、1日約2000人の外来患者が訪れ、血液浄化センター、がん治療センター、周産期母子医療センター、ハートセンター、それに今年4月オープンの脳神経・脳卒中センターなど最先端の医療設備も備えている。