県は12日、企業庁が管理する富津地区配管送電線用地と袖ケ浦浄水場、古都辺取水場を対象に設置・運営事業者を募集していたメガソーラー2か所と水力発電設備1か所の公募結果を公表した。メガソーラーは富津地区が㈱クリハラント(大阪市西区靭本町1-11-7)、袖ケ浦浄水場が堀川産業㈱+国際航業グループ(国際ランド&ディベロップメント㈱)連合体(代表構成員・堀川産業:埼玉県草加市住吉1-13-10)、古都辺取水場の水力発電は東京発電㈱(東京都港区三田2-7-13)が、それぞれ事業候補者に選定された。応募者数は富津地区1者、袖ケ浦浄水場2者、古都辺取水場5者の合計8者だった。
クリハラントは、富津地区配管送電線用地(富津市新富50-1ほか)の敷地約6万㎡を使用し、発電出力398kw・約4mwの施設を整備し、2014年2月の発電開始をめざす。太陽光パネルは国内製(単結晶)250w1万7500枚を設置し、年間発電量は一般家庭1200軒の年間使用電力量に相当する約400万kwhを想定。
また堀川産業グループは、袖ケ浦浄水場(袖ケ浦市台宿553-2)の敷地約1.3haを使用し、発電出力952.5kw・約1mwの施設を整備し、2013年10月の発電開始をめざす。太陽光パネルは国内製(単結晶)250kw3810枚を設置し、年間発電量は一般家庭300軒分の年間使用電力量に相当する約100万kwhを想定。
一方、東京発電は、古都辺取水場(市原市古都辺600)に想定出力198kwの施設を、2014年3月の発電開始を目標に整備する。年間発電量は一般家庭300軒分の年間使用電力量に相当する約100万kwhを想定。設置する発電機は、国内メーカー製の軸流プロペラ水車を使用。発電機及び配管の設置スペースは22.24㎡を見込む。
企画提案では、設置運営事業契約に係る納付金額が提案された。納付金額はクリハラントが年額1210万6447円で、敷地の使用料を加えると年額3056万6803円、堀川産業グループが年額190万4762円で、使用料を加えると年額319万1016円。東京発電が年額1545万3000円で、使用料を加えると1549万3040円。
事業者の募集は、3事業を同時に行い、10月25日に募集要項を公表し、現地説明会を実施した後、11月15日から21日まで企画提案書の提出を受け付けた。その後、12月10日に開いた県企業庁新エネルギー事業者選定委員会(委員8人)で事業候補者を選定し、12日に決定した。
決定した3事業者はともに実績があり、適切な施工計画や維持管理が提案されたことが評価された。クリハラントは、募集対象地の全面積を使用し、見学できる展望台を設置し、環境学習に配慮。堀川産業グループも募集対象地の全面積を使用し、見学会を開催するなど環境教育に配慮。納付金額の提案は応募者中最高額だった。また、東京発電は安定取水を最優先し、諸条件を緻密に考慮していることや豊富な実績、最高額の納付金の提案、地上から安全に見学できる設備の設置などが選定のポイントとなった。
富津地区配管送電線用地は、所在地が富津市新富50-1、君津市西君津9-1ほか地先。敷地面積は約5万9935㎡で、細長い帯状の平坦地(幅員約17.5m)。地目は雑種地で、都市計画の用途地域は市街化区域、工業専用地域及び工業地域。
袖ケ浦浄水場は、所在地が袖ケ浦市台宿553-2地先。敷地面積は約1万2929㎡で、浄水場内の平坦と法面を形成している。地目は山林雑種地で、都市計画は市街化調整区域。用地の年間使用料は年平均㎡
古都辺取水場は、所在地が市原市古都辺600地先。発電方法は長柄ダムから取水する際の水圧・水量のエネルギーを有効利用し、管路内に発電機を設置して発電を行う。利用可能な水量は日量約9万立方m。
事業者は今後、事業の実施に向けて、東京電力に系統連係の申請を行うととともに、経済産業省に発電機の認可申請を行い、認可を経て事業着手となる