藤沢市内を流れる二級河川引地川の下土棚地先で遊水地整備を進める県藤沢土木事務所は、遊水地の雨が降らない平常時における上部利用の検討に着手した。地域住民や市民活動団体の関係者らで成る地域懇談会を設置し、意見を交わしているほか、近く学識者ら成るアドバイザー会議を立ち上げ、利用方法について技術的専門的知見からアドバイスを送る。二十五年度を目標に、貯留機能を確保したうえ、子供から高齢者が利用できるような利用計画をまとめる考えだ。
下土棚遊水地は、藤沢市の北部下土棚地先に整備をしているもので、一四㌶の広さで、四六〇、〇〇〇立方㍍の貯留量となる。左岸と右岸に分かれ、広がる。十八年度から事業に取りかかり、用地取得とともに、水を溜めるために地中連続壁工事を行っている。
地域懇談会は昨年八月に始まり、これまで四回にわたり話し合いを重ねている。利用に際しては、貯留機能を確保したうえ、できるだけメンテナンスフリーとなる施設で、特定の人だけが利用するような施設とせず、子どもから高齢者が利用できるような施設を念頭に、話し合っている。
地域懇談会は今月にも開催。この他、地域懇談会の意見を踏まえ、学識者と地域の学校関係者らで成るアドバイザー会議においても技術的専門的知見からアドバイスを送るための議論を行う。
事務所では、二十五年度までに市民からの意見を聞くパブリックコメントの手続きを踏んだ上で、ゾーニングと利用計画についてとりまとめたいとしている。