長生郡一宮町は29日、公募型プロポーザル・デザインビルド方式による新庁舎建設事業の選定結果を公表した。同日開かれた臨時議会で、契約議案が承認されたのを受けての公表。事業者に選ばれたのはフジタ(東関東支店:千葉市中央区弁天1-15-1)で、契約額は6億1992万円(消費税を含む)。設計及び建築確認を経て今年7月ごろに着工、2014年3月末の完成を目指す。
新庁舎の建設場所は現庁舎敷地内(一宮町一宮2457)で、計画規模はRC造4階建て、延べ2309.12㎡。津波対策として屋上には一時避難場所となるスペースを設ける。また、今回の業務の範囲は新庁舎建設事業の調査・設計(解体設計、外構設計を含む)及び新庁舎建設工事、それに設計・施工一括発注の監理業務。新庁舎完成後、2014年10月末までに既存建物の解体工事と外構工事を別途発注で進める。
解体する既存の建物は、現庁舎(RC造2階建て、延べ1086.06㎡)と西庁舎及び車庫(Sプレハブ造等、延べ182㎡)で、予定工事費は約3300万円。また、外構工事の内容は植栽、舗装、照明、屋根付き車庫(公用車10台)、来客用駐車場・駐輪場、倉庫(100㎡)等で、予定工事費は約4000万円。
町では、現庁舎の耐震性能不足により、早急に新庁舎建設工事を完了させる必要があること、また、東日本大震災を教訓に、今後予想される自然災害(暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波)及び大規模な火災などに備えた緊急時の防災機能と平常時の利便性を併せ持つ新庁舎の建設を目指して、工期の短縮が可能で民間の持つ最新の技術を生かすことができるデザインビルド(設計・施工一括発注)方式で新庁舎を建設することにした。
プロポーザルの実施にあたっては、新庁舎の規模をRC造4階建て、延べ2300㎡程度と想定。提案者に対しては、①自然災害等に対する防災機能の強化②町役場来庁者が憩えるスペース及び使いやすい事務室スペースの確保③ライフサイクルコストの低減④計画、デザイン、仕様に配慮⑤環境への配慮(省エネルギー、雨水利用等)⑥調査、設計、施工期間の短縮等を求めていた。
昨年8月27日に公募型プロポーザル・デザインビルド方式の手続きを開始し、フジタと大林組の2者が参加を表明。その後、芝﨑登副町長を委員長とする審査委員会の第1次審査(12年9月21日)で各企業の実績、体制、担当チームの実績、経験、資格などを客観的に評価し、両者ともに事業を行うに十分な能力を有すると判断し、2者に対して技術提案書の提出を求めた。
第2次審査(13年1月16日)では、2者から提案があった技術提案書を審査基準に従い評価し、新庁舎基本構想ならびに仕様書に基づき配置計画、建築計画、防災への配慮、環境への配慮、近隣への配慮、ライフサイクルコスト、工程計画等を評価した。
審査委員会の講評では、「提案内容は2者ともに期待以上の出来であり、いずれを採用しても素晴らしい庁舎となることが期待できたが、シンプルで頑強な庁舎という点を評価して、フジタの提案を優位であると判断した」としている。