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(一社)千葉県建設業協会

「行動規範」の順守・徹底を/千葉県建設業協会/蓑輪専務と宮村北総支部長

2013/05/17 日刊建設タイムズ

 今こそ「行動規範」の順守・徹底を――。一般社団法人千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)の蓑輪昇専務理事と宮村良典・北総支部長が、14日の京葉支部総会(蓑輪氏)と15日の北総支部総会(宮村氏)のあいさつの席で、それぞれ同じ言葉を口にした。二人の指摘で共通した点は、同協会が定める行動規範10か条のうち、筆頭条項にあたる「法令の順守」について。奇しくも、またはそれが「必然の結果」だとしても、両氏の言わんとする「法令順守の徹底」に向けての呼びかけは、示唆に富んだメッセージとして、多くの業界関係者の胸に響いたはずだ。


  示唆に富んだメッセージ 多くの業界関係者の胸に


 同協会では2008年に、国民・社会からの信頼に応え、社会的責任を果たすために「行動規範」を制定。15年前の1993年に策定した協会指針を全面的に見直し、前年に全国建設業協会が策定した「行動憲章」をモデルに、新たな行動規範として順守、徹底を図ってきた。

 08年当時は、「企業の社会的責任(CSR)」が企業評価の重要な要素となり、経済的利益のみを追求するのではなく、社会貢献、環境保全、法令順守等の幅広い分野における社会的要請に積極的に応え、社会の持続的な発展を目指すことが喫緊の課題となっていた。

 同協会では、建設業界が広く国民・社会からより信頼される産業となるためには、建設企業はこれまで以上に社会貢献、環境保全、法令順守等の徹底に取り組む体制整備を全社的に図り、「経営者はもとより、従業員一人ひとりが適正な事業活動の推進に努め、地域における基幹産業としての使命と社会的責任を果たすことが強く求められている」と認識。

 このため、「法令順守」が社会的責任の基本であることを再確認するとともに、各建設企業が倫理的側面に十分配慮し、経済、環境、社会の側面を総合的に捉えた適正な企業活動に取り組み、持続可能な社会の創造に努めた。

 一方、協会員が08年2月に競売入札妨害容疑で逮捕された事態等を重く受け止め、こうした事件の再発防止と業界倫理の確立を進め、失われた信頼の回復に努める意思を「行動規範」というかたちで示した。

 

 08年に制定、筆頭条項は「法令順守」


 同協会が制定した10か条からなる行動規範は、「法令の順守」を筆頭条項とし、「品質の確保」「信頼される施工」「技術者・技能者の確保と技術・技能の継承」「適正な労働環境の維持と改善」「環境問題への積極的対応」「公正透明な政治参加」「暴力団等の排除」「地域社会への貢献」「行動規範の周知・徹底」で構成する。

 このうち「法令順守」は、あらゆる企業活動の基本であり、社会の一員として建設業法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する独占禁止法等の関係法令を順守し、社会からの信頼に応えるため適正かつ公正、透明な事業活動を行うというもの。

 特に、自由市場経済の基本原則である独占禁止法の順守を徹底するため、「独占禁止法順守マニュアル」を策定するなど、「経営者自らが率先垂範し、社内体制を整備して独占禁止法に抵触する営業活動等の根絶に向け、企業倫理の構築に努める」とある。



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