県農林水産部は「第9次千葉県卸売市場整備計画案」をまとめ、12日からパブリックコメントを開始した。千葉市中央卸売市場と船橋市中央卸売市場を2014年4月に地方卸売市場へ転換し、地域拠点市場に位置付けるほか、市川市地方卸売市場、柏市公設総合地方卸売市場、木更津市公設地方卸売市場の整備年度を位置づけた。また野田合同市場地方卸売市場と地方卸売市場君津青果部は、事業を廃止したことから計画から削除した。計画の期間は11~15年度の5か年。
千葉市中央卸売市場は、千葉市が12月定例議会に地方卸売市場転換に関連する条例案を上程する予定で準備を進めており、県へ開設許可(転換)申請を行い、来年4月の地方卸売市場開設を目指す。変更案では整備予定年度を14年度と位置付けた。
千葉市中央卸売市場は、1961年7月に開設認可を受けて問屋町に開設された。その後、市場が狭あい化したため、75年に現在地(美浜区高浜2―2―1)に用地を取得し、79年に新市場を開設した。しかし、流通形態の変化や食糧消費の減退により取扱量が減少し再編を検討。地方卸売市場に転換することにした。
船橋市中央卸売市場は、船橋市が経営展望と管理棟の建て替え等を含めた施設・設備整備プランを策定中で、来年3月までにまとめる。プランの策定ではJFEエンジニアリング(千葉支店・千葉市中央区新町3―13)が支援業務を担当している。変更案では整備予定年度を14~18年度と位置付けた。
船橋市中央卸売市場は、1969年3月に施設が完成し、青果部は同年5月、水産部は72年6月に業務を開始。水産部は直近3年間の取扱数量が減少し、3年前を基準とする取扱数量の減少率が国の基準(マイナス15・7%)を上回るマイナス17・4%となっている。
柏市公設総合地方卸売市場は、整備予定年度を青果部が14年度、水産部が16~18年度と位置付けた。柏市は12~13年度の2か年で公設地方卸売市場整備計画をまとめている。昨年度は耐震診断や老朽度調査、松戸北部市場との連携協議などを実施し、本年度は耐震改修等の優先順位や施設ごとの対応策などの施設整備計画をまとめる予定。策定業務は山下設計(東京都中央区日本橋小網町6―1)が担当。
市川市地方卸売市場は、青果部の整備予定年度を15年度と位置付けた。市川市は昨年度で施設整備の基礎調査を実施し、大規模修繕、現地建て替え、移転建て替えについて比較検討を行った。本年度は耐震診断等を行い、その結果を踏まえて整備方針を固める。また、市場の民営化についても検討を進めている。
木更津市公設地方卸売市場は、水産物の整備予定年度を14年度に位置付けた。木更津市は昨年度から施設の耐震診断を実施中で、昨年度は水産部、本年度は青果部を実施する予定でいる。昨年度の水産部の診断は相和技術研究所(東京都品川区上大崎2―18―1)が担当した。本年度の委託は近く指名競争入札で発注される見通し。建物規模は水産部がS造2階建て延べ約1652㎡(71年建築)、青果部がS造2階建て延べ約3965㎡(69年建築)。
このほか、野田合同市場地方卸売市場は12年3月に閉鎖し、地方卸売市場君津青果部は12年8月に事業を廃止したため計画から削除した。
パブリックコメントは7月11日まで実施し、その後、政令市の千葉市と協議を行い、9月ごろまでに計画の変更を確定させる。