関東地方整備局は2013年度、「第三者による品質証明」の試行を再始動する。一般土木Cランクまで対象となる点などを踏まえ、各都県建設業協会向けの入札・契約方針説明会で周知した。また今月下旬から来月にかけて、品質証明者名簿(仮称)の作成に向けた説明会を開く。
制度のポイントとなる第三者(品質証明者)について同局では、公共工事品質確保技術者のⅠとⅡの双方を対象者とする方針を確定した。
企画部で事前に調べたところ、対象母数は200人規模で、法人17団体、コンサルタント41社、ゼネコン20社に在籍していること判明。同局ではこれらの法人、企業への説明会を開き、品質証明者名簿への登録者を募る。
また並行して試行案件の抽出に入り、7月に各事務所へリストアップを依頼する。8月以降の公告案件から、各事務所1件程度ずつ挙げてもらう方向だ。
試行案件は工期が180日を超えることを前提とし、①一般土木(A、B、Cランク)②PC③アスファルト舗装――から抽出する。このため道路系事務所の方が件数が多くなることが想定される。
試行工事の受注者は、発注者から提示される品質証明者名簿の中から、第三者を選定して契約する。現場では第三者が臨場して工事実施状況、出来形、品質を確認し、監督職員と施工者の双方に品質証明を出す。
発注者は「品質証明書の確認による検査」という概念により、現行の監督、検査業務の相当程度が効率化の対象になる。
また第三者が施工プロセスを臨場により確認するため、品質確保体制も強化。さらに出来高部分払いとセットで運用することから、企業側のキャッシュフロー改善効果も見込んでいる。
なおコスト面での考え方は、試行工事において共通仮設費の技術管理費に積上げ計上する。臨場日数×基準日額(技士B)により算出。当初積算では臨場は工期内に週3回とし、1回あたりは0・5人日とする。
同局では昨年度に試行を開始する予定で品質証明者名簿作成のための説明会や対象工事のリストアップを進めていたが、国交省本省からのガイドライン通知が当初の予定よりもずれ込んで2月末となったために断念した経緯がある。