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飛島・大本・サンコーテクノ共同開発のディスクシアキー 適用範囲を拡大

2013/07/26 本社配信

飛島建設(社長・伊藤寛治氏)、大本組(社長・大本万平氏)、サンコーテクノ(社長・洞下英人氏)の3社で共同開発した耐震補強用接合部材「ディスクシアキー」(内付け耐震補強)をより進化させ、「外付け耐震補強」まで適用範囲を拡大させたことを公表した。

外付け耐震補強は、補強架構を建物の内側に構築することが困難な場合に有効な耐震補強工法だ。しかし、補強架構を建物の外側に取り付けることから、補強部材に複雑な力や変形が生じ、既往の耐震改修用設計指針では、補強対象となる建物のコンクリート強度や、あと施工アンカーの埋め込み深さに制約があり、条件を満たさない建物には、耐震補強が適用できないなどの課題があった。この課題をクリアーするため、「外付け耐震補強ディスクシアキー」を新たに開発し、適用範囲を広げた。

内付け耐震補強用のディスクシアキーと同様に、ディスク接着系注入方式のアンカーボルトを併用した複合型接合部材で、①ディスク②アンカーボルト③高ナット④接続ボルトから構成されており、アンカーボルトが穿孔穴の中心に配置されるように先端リブ(突起部)が加工されているのが内付け耐震補強とは異なる点だ。接合耐力が高く、在来工法で必要とされる目荒らし作業が不要で、作業時の騒音・振動・粉じんがなく、コスト低減が図られるという。

ディスクシアキーは、昨年度、長岡市の市民プラザなどの公共建築物に3件、民間建築物に3件、約8000個が採用されている。一般社団法人・建築研究振興協会より今年3月に「技術性能評価」(ディスクシアキーを用いた補強接合部の設計施工指針)を取得したほか、3社共同で特許も出願中だ。

飛島建設は「特に、コンクリート強度が低い建築物や、軽量コンクリートの建築物など、既往の設計施工指針では耐震補強が困難であった建築物の耐震性能の向上に寄与していきたい」と抱負を述べた。

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