相模原市が南部地域(南区)の交通政策の一環として検討を進める新しい交通システムの導入について、検討を進める学識者や交通事業者、警察、市民、企業の関係者ら組織する「新しい交通システム導入検討委員会(委員長・中村文彦横浜国立大学大学院教授)の第4回が22日、南区合同庁舎において開催された。導入すべき交通システム(バス・地下鉄、新交通など)に関し、比較検討しながら意見を交わし、専用起動を低床車両が走るLRT、海外で運用される新しいバスシステム、既存の路線バスを改良する3案に絞った。
南部地域の交通問題は、市によると、小田急線相模大野駅を中心にそこから離れた場所に立地する北里大学・病院、麻溝台工業団地、女子美術大学等へバスが公共交通の中心となっている。市によると道路網を構築する路線が少ないことから県道52号(相模原町田)等で慢性的に道路が混雑している状況で、バスの定時制、速達性が確保されていない。輸送力も限界に達しているという。
この日は、前回の検討委で確認した相模大野駅~麻溝台地区~原当麻という大まかやルートを踏まえたうえで、交通システムの比較検討の議論に入った。
市が検討委に、ミニ地下鉄(都営地下鉄大江戸線等)、モノレール(多摩都市モノレール等)、AGT(東京のゆりかもめ)、LRT(専用軌道を低床車両が走る・富山ライトレール等)、ガイドウェイバス(専用軌道をガイドウェイに沿って走る・名古屋市のみ)、新しいバスシステム(町田市内を走る連結バスや海外のバス専用レーン等)の6案を示すとともに、それぞれを交通需要に対し、輸送力が適切であるか。需要が増加した場合、対応が可能か。定時制・速達性。他の交通への乗り入れ。建設コスト。建設期間。運用の自由度を視点に検討を重ねたことを提示した。
輸送力から見ると、ミニ地下鉄、モノレール、AGTが過大となり、LRT、ガイドウェイバス、新しいバスシステム(BRT)に絞り、そのうえで、需要増への対応、定時性・速達性、他の交通への乗り入れ、コスト、期間、運用の自由度から比較検討し、市ではBRTを選んだことを報告した。
これに対し、委員からは、選定するに当たっての評価項目について議論を重ねたうえで、選んだほうが良いのではという意見が寄せられた。特に、地域への影響について話し合ったうえで選定すべきだと意見が出た。
評価に当たっては、定時制・速達性を重視、優先していくべきとの提案。利用客を確保するためにも一定程度の本数程度は必要との意見を寄せられた。
そのうえで、システム選定では、既存のバスをベースにした改良し、運用する案も加え、比較検討してほしいという提案がだされ、検討委ではBRTに加え、LRT、それに既存バスの改良の3案で絞り、議論を進めることとした。
次回、検討委では、3案をルート案に乗せて検討を重ねていく。