(一社)建設コンサルタンツ協会関東支部長野地域委員会(委員長=山本和明・長野技研)は29日、長野県が推進する道路・橋梁の長寿命化修繕計画の講習会を長野市のサンパルテ山王で開いた。講師として訪れた県建設部道路管理課の太田茂登係長、折井克壽担当係長および金子哲也主査は修繕計画にかかる主旨や目的、策定方針、将来イメージなどの説明を行った。
山本委員長は「国は社会インフラ整備に力を入れ、橋梁維持調査をロボット化で行おうと開発を進めている」と語り、「調査は県が行うが、危険箇所、見れない場所などはわれわれコンサル業務の仕事になると思われる。今日はしっかり説明を聞き、地元で地域のインフラ整備の手助けになれば」とあいさつで述べた。
県が管理する道路橋は2012年4月現在で3829橋。このうち同年度末で50年を経過した高齢化橋梁は1088橋を数え、全体の28%を占める。インフラ整備計画は、安全安心な道路サービス提供を主旨に、ライフサイクルコスト縮減と維持管理費の平準化を図ることを目的に進める。
50年を経過した高齢化橋梁は、致命的で重大事故の確率が飛躍的に高まることから、重要度に応じて早い段階で「鋼材部分の塗装」や「ひび割れ注入」の予防措置をとることにより、50年間で約850億円のコストを抑えられるとしている。また、舗装道路に関しては交通量に応じて維持補修を行っていく方針。
太田係長は「長く大切にするためには『どのように維持管理し長寿命化を図るのか』ということが重要なテーマになる」などと解説した。
参加した30人は熱心にメモを取るなどして聞き入っていた。
【写真は山本委員長、3人の講師、講習会のようす】