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再整備計画の概要公表/高洲市民プール・体育館/千葉市

2013/09/12 日刊建設タイムズ


 千葉市スポーツ振興課はこのほど、(仮称)高洲市民プール・体育館再整備事業の概要を公表した。同事業については本年度、実施設計をINA新建築研究所(東京都文京区白山3-1-8)へ委託して進めているが、10月ごろに建築基準法第48条(用途地域)に基づく公聴会を開いたうえで、12月ごろに同許可を受ける予定でいる。本年度の実施設計に続いて2014~15年度で建設を進め、16年4月オープンを目指す。

 現在の高洲市民プール・体育館(美浜区高洲4-2-1)は1972年に建設されたもので、水連公認の50mプールのほか25mプールを備え、73年開催の若潮国体では水球の会場として使用された。また、体育館はバドミントンや卓球など地域住民のスポーツ活動に利用されてきた。

 しかし、建設から41年を経過し老朽化が著しいうえに、東日本大震災による液状化でプールサイドがほぼ全面にわたって陥没するなど大きな被害を受けた。その後、体育館は復旧したものの、プールは使用できないままになっている。このため市は、西側に隣接する海洋公民館こじま跡地(美浜区高洲4-2-2、敷地7624・67㎡)を建設用地として、再整備を進めることにした。

 改築に当たって市は、①区レベルのスポーツ活動の拠点施設②誰もが利用しやすい施設③気軽に健康・体力づくりに取り組める施設④地球環境に配慮した施設⑤地域の防災面を配慮した施設を基本的な考え方としている。

 「区レベルのスポーツ活動の拠点施設」としては、屋外25mプール(9コース)と滑り台等の遊具を備えた子供用プールを設置。屋外プールは50mプールを廃止するため、25mプールでは通常5~7コースのところ9コースとし、利用者の混雑解消に努める。また、体育室は多様なスポーツ活動に対応し、かつ区レベルの各種大会が開催可能なよう、現状495㎡の面積を800㎡程度に拡大。バスケットボール(1面)、バレーボール(2面)、バドミントン(6面)、卓球(10面)等に対応。さらに、新たにクライミングウォールを設ける。

 「誰もが利用しやすい施設」としては、多目的トイレやプール内スロープ、キッズルームなどを設けるほか、建物も平屋建てとしてバリアフリー化を図るなどユニバーサルデザインに配慮。また、「気軽に健康・体力づくりに取り組める施設」としては、トレーニング室を現状78㎡から140㎡程度に拡大するとともに、会議室の一部を鏡張りにしてダンススタジオとの兼用とする。

 「地域コミュニティを形成する施設」としては、キッズルームに加え、会議室につながる談話室を設置。さらに、旧海洋公民館こじまの部品(操舵輪、計器類等)を展示する部屋や、記念碑を設置。「地球環境に配慮した施設」としては、太陽光発電や雨水利用(トイレ洗浄水)、積極的な木材利用、自然採光、平屋建てとすることによる建設コストや維持管理コストの低減に配慮する。

 このほか「地域の防災面を配慮した施設」としては、太陽光発電に加え、プール水洗浄設備を設け、緊急時には飲料水として供給。さらに、プール水洗浄設備等の動力となる非常用発電機、マンホールトイレ、備蓄倉庫なども設置する。

 基本設計を終えた段階での体育室・管理諸室など体育館の規模は、RC造(一部体育室屋根はS・木造ハイブリッド構造)平屋建て、建築面積約2150㎡、延べ約1920㎡。また、屋外プールのうち25mプールはステンレス製で計画し、幅20m(9コース)、深さ1・0m~1・2m。子供用プールはステンレス製もしくはFRP製7・5m×20mの長方形で、深さ0・5m~0・7m(一部幼児用0・3m)。

 整備スケジュールは、14年度の5月ごろから9月ごろにかけて杭工事を行い、同10月ごろに建築着工。建築工事の進み具合を見ながら15年12月ごろから外構・植栽工事を行い、15年度末までに完成させる。

 なお、再整備後の現在の用地(美浜区高洲4-2-1、面積1万230・69㎡)については、新施設完成後に再整備の財源とするため売却する予定。


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