国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所など同省の県内4事務所は8日、新技術の普及・拡大に向け、土木技術者を対象とした「情報化施工現地見学会」を開催した。建設関係の各団体から約90人が参加し、実際に使われている最新技術を体感した。
見学会は、千曲川河川事務所をはじめ長野国道、松本砂防および大町ダム管理所の各事務所が催したもので、県建設業協会や建設コンサルタンツ協会などの関係団体が参加した。
会場となった飯山市蓮築堤工事は、2カ年にわたり延長2130mの築堤をするもの。見学を前に千曲川河川事務所の宮下茂工事品質管理官は「今回を機会に情報化施工が広がることに期待」とあいさつ。現場の施工を担当する鹿熊組の甲田義信土木工事部長と羽生田喬志現場代理人が、実際に行っている情報化施工の概略を説明した。
この後、参加者は4班に分かれ、トータルステーション(以下TS)出来形管理、GNSSを用いた盛土締固め管理、マシンコントロール(以下MC)、マシンガイダンス(以下MG)について順に説明を受けた。
「延長2kmの築堤で丁張りしたのは4カ所だけ」と甲田部長は省力化の魅力を語り「どんな現場でも情報化施工というわけにはいかないが、昨年度の試験施工で勉強させてもらった」と本工事でも自主的に取り組んでいると話してくれた。
昨年度に続いて情報化施工の現場を担当する羽生田氏は「昨年は苦労したが、今年は随分楽になった」と効率化を実感していた。
国交省では情報化施工の取り組みとして、TS出来形管理技術(土工)V1万立方m未満およびMC(モータグレーダ)技術については60%、MC/MG(ブルドーザ)技術、MG(バックホウ)技術は15%の活用率目標を掲げ、2016年度の一般化を目指している。
【写真は自動制御のブルドーザとガイダンス機能付きのバックホウの説明を受ける】