古府中環状浅原橋線「遠光寺東」交差点の改良事業で県は用地買収に着手した。県は年内に全地権者を訪問し、交渉がまとまった箇所から用地の購入を始める。買収が進めば来年度には一部工事に入りたい考えだ。
交差点改良を行うのは、甲府市遊亀公園(甲府市太田町10)西側をはしる「遊亀通り」と、甲府市伊勢地内を南北にはしる「伊勢通り」(県道甲府中央右左口線)の交差点。この交差点付近は同路線の交通に加え、「平和通り」(国道358号)や「青葉通り」(県道甲府笛吹線)から流入する交通があるため交通量は多い。ただ渋滞は交通量だけが原因ではなく、「交差点が続くのが問題だと考えている」(同事務所)。
「遠光寺東」交差点とは別に70m程東には青葉通りとの交差点があり近距離で信号が続く。このため青葉通りから国母方面へ向かおうと遊亀通りに入っても、すぐに「遠光寺東」交差点で交通が止まる。2つの交差点間の距離も短いため青葉通りからの交通の流れは徐々に悪くなる。さらに遊亀通り北側からの交通も加わり混雑は増す。
県は混雑解消にはネックとなっている2重の交差点を1つにまとめるのが最も有効と判断、改良する計画を立てた。新たな交差点は南北にL263m、W16~23m、東西にL152m、W12~20m。「遠光寺東」交差点の東側、問題の2つの交差点の間に整備する。改良と併せ現道の拡幅なども行う計画だ。
対象地域には住宅や商店など多くの建物が並ぶ。同事務所によると、買収する用地は約60筆に及ぶ。県は今春、対象となる地区を2つに分けそれぞれで説明会を実施。用地買収について地元の理解を求めた。事業に対しては「多くの方に理解をいただけている感触」(同事務所)という。
事業に関連する設計や調査などは本年度までにほぼ完了。来年度は補償関連の委託業務の発注を予定する。着工については「用地の進捗次第」(同事務所)とした上で、「可能であれば来年度中に既存施設の撤去や側溝などの工事に入りたい」としている。