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千葉県県土整備部

機場等14施設を予防保全/県河川整備課/河川管理施設で長寿命化計画

2014/03/19 日刊建設タイムズ


 県県土整備部河川整備課は、河川管理施設の計画的修繕等を実施するため、河川管理施設長寿命化計画をまとめた。県内の排水機場及び水門14施設を対象とし、今後40年間の延命化を目標に機器の点検・整備を実施していく。事業費は年間約8億円と試算し、40年間の総事業費は約300億円と見込んだ。事後保全型管理での事業費は約1002億円と試算しており、予防保全型管理に転換することで約702億円の削減を見込む。

 今後、この長寿命化計画に基づき、各施設の機器の点検・整備・更新を実施していく。計画は5年程度で見直しを実施する。施設は、県が管理する排水機場や水門のうち、施設が停止した場合の社会的影響が特に大きいと見られる施設を対象とした。このため、施設は千葉市や葛南地区など人口の集中する地区が中心となった。

 県が管理する排水機場や水門等の河川管理施設は、人口が集中する県北西部を中心に設置されているが、施設は昭和40~50年代に建設されたものが多く、近年、機器の老朽化による不具合が目立ち始めており、施設の修繕、更新等には莫大な費用と時間が必要になる。

 このため、従来の事後保全型の管理に代わり、機器の不具合が生じる前に部品の交換や整備を行う「予防保全型」の管理に転換し、同計画に基づき、機器の点検・整備、更新を実施することで、老朽化した施設の延命化を図るとともに、各施設のライフサイクルコストを縮減していく。

 計画では、機器の整備・更新に係る基本的な考え方をまとめた長寿命化基本方針を定め、年度ごとに整備・更新が必要な機器を抽出。そのうえで、延命化の目標年次までのコストシミュレーションを実施し、機器を運転可能な状態に維持することを目的とした月点検と、施設全体の機能確認を行う年点検の実施時期や点検内容を整理した。また、機器の点検・整備、更新履歴、事故・故障及び措置の履歴を管理するため、施設ごとに河川管理施設台帳を作成した。

 今後進めていく機器の点検・整備・更新では、排水機場はプロペラの整備、原動機の分解整備や消耗品の交換、オイル交換、老朽化して修繕が困難な除塵機の更新を実施。水門は、開閉装置のスイッチ類など小部品の交換や、駆動部の補修・更新、腐食した扉体の構造部分の補修などを実施する予定。

 長寿命化の対象施設は次の通り。〔①河川名②所在地③設置年度(経過年数)④排水能力/毎秒〕

 ▽豊排水機場=①小堀川②香取市下小堀③68年(45年)④6・0立方m

 ▽堀江排水機場=①堀江川②浦安市堀江③69年(44年)④10・0立方m

 ▽境川排水機場=①境川②浦安市東野③72年(41年)④5・0立方m

 ▽真間川水門=①真間川②市川市原木③72年(41年)④―

 ▽猫実排水機場=①猫実川②浦安市北栄③76年(37年)④20・0立方m

 ▽真間川排水機場=①真間川②市川市原木③77年(36年)④50・0立方m

 ▽秣川排水機場=①秣川②市川市大和田③79年(34年)④23・0立方m

 ▽海老川排水機場=①海老川②船橋市湊町③88年(25年)④40・0立方m

 ▽葭川排水機場=①葭川②千葉市中央区中央③94年(19年)④45・0立方m

 ▽樋野口排水機場=①樋古根川②松戸市樋野口③95年(18年)④15・0立方m

 ▽座生川排水機場=①座生川②野田市岩名③95年(18年)④50・0立方m

 ▽柳原排水機場及び国分川分水路施設=①坂川②市川市国府台③96年(17年)④26・1立方m

 ▽生実川排水機場=①生実川②千葉市中央区塩田町③98年(15年)④18・0立方m

 ▽春木川排水機場=①春木川②市川市東国分③99年(14年)5・0立方m


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