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県都市計画審議会で長期未着手の公園・緑地のあり方見直しへ

2014/04/02 日本工業経済新聞(神奈川版)

 第221回神奈川県都市計画審議会が3月27日、県庁において開かれ、県からの諮問を受けた神奈川における都市計画公園・緑地(以下、公園・緑地)の見直しについて審議した。およそ一年をかけ、長期間未着手となっている公園・緑地の整備のあり方などについて検討をしていく。

 公園・緑地の見直しは、平成23年の都市計画運用指針の改正で「長期にわたり事業に着手されていない都市施設について、定期的に見直し候補を抽出するための検討を行うとともに、当該検討の結果を公表することが望ましい」という方針が示されたのを受けたもので、県では、各市町の公園課などの職員とともに勉強会を設置し、検討を重ねている。

 県内の公園・緑地については2、468箇所、面積で約5、313haが計画決定されており、面積ベースで見ると、整備済が3、767ha(71%)、事業中が662ha(12%)、未着手が884ha(17%)となっている。このうち決定から20年以上が経過し、未着手のものは662haに上る。特に大規模公園の占める割合が高い。

 勉強会では、未着手の原因と課題に関し、用地取得費など財政事情をはじめ、用地取得の難航による部分開設で、公園の機能が全うされていない。地形上の制約などの技術的な事。砂浜、公有林など現状のままでも機能の一部が確保されている。区画整理など関連事業の進捗の遅れなどを挙げている。

 見直しに当たっては、機能を代替えする空地の可能性を探るほか、住区基幹公園では、具体の位置、区域を定めるのではなく、一定の地域・エリアにおいて必要な規模を定めておき、相続や生産緑地の廃止などで適地が生じた段階で、順次、決定していくといった対応の可能性も検討する案も出ている。

 県では、こうした理由・課題や可能性を伝え、今後の整備のあり方などに関し審議会に諮問した。会では、概ね一年をかけ検討を図っていくこととした。

 審議会ではこの日、座間市における用途地域の指定のない区域における建築基準法による容積率、建ぺい率の変更を審議し、原案どおり了承した。

 変更は小田急線相武台前駅から南西約500m離れた場所に位置するキャンプ座間返還跡地地区で、土地利用の方向性が明確となったことから数値を定めるもの。容積率200%(旧100%)、建ぺい率60%(旧50%)とした。道路及び隣地境界線の日影規制の数値1・25については変更はない。


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