土浦市は中心市街地活性化基本計画を策定し、本年3月28日付けで内閣府の認定を受けた。市はこの計画をもとに2019年度末までさまざまな事業を進め、JR土浦駅周辺約118・8haの活性化を図る。具体的事業としては、土浦駅北地区市街地再開発事業を中心とした駅周辺整備のほか、社会資本整備交付金を活用する川口二丁目地区整備、荒川沖木田余線4車線化、土浦駅東口ペデストリアンデッキ延伸などを盛り込んだ。
市は、2000年4月に「土浦市中心市街地活性化基本計画」(人が集う賑わいのある拠点づくりをめざして)を策定し、活性化に向けた各種事業に取り組んだが、事業効果が十分に現れているとは言えない状況にあるため、事業効果の検証で見えてきた課題を整理した。
今回策定した計画では、中心市街地の将来像に「歴史が息づき人々が集う、魅力ある湖畔の都市(まち)」を掲げ、活性化に向けた取り組みを展開する。計画区域はJR土浦駅周辺の約118・8ha。
活性化の基準として、18年(平成30年)時点での中心市街地の歩行者交通量を、平日2万9476人/日(12年2万5143人)、休日2万9094人/日(12年2万7253人)を目標とする。このほか18年度時点における中心市街地空き店舗数を85店/年、中心市街地居住者人口を8443人、観光関連施設利用者を11万3039人に設定した。
基本方針には①人がまちにすまう②人がまちをいきかう③人がまちをつくる-を掲げた上で、計画区域を、亀城公園を中心とした歴史的環境を活かした「趣・おもてなしゾーン」、市庁舎・新図書館棟の整備効果を活かした「輝・にぎわいゾーン」、霞ヶ浦を活かした「快・こうりゅうゾーン」にゾーニング。これらの拠点ゾーン、都市軸の特性に応じた歴史・風土を活かした風格あるまちづくりを進める。
続いて、必要性に応じて実施する具体的事業をテーマごとにソフト、ハードの両面から78事業明示。このうちハードにかかわる事業をテーマごとに見てみると「市街地の整備改善」では、土浦駅北地区市街地再開発事業を中心に土浦駅北通り線整備、土浦駅西口ペデストリアンデッキ整備、土浦駅西口広場改修(土浦西通り線)などの土浦駅周辺の事業を掲示。
このほか社会資本整備交付金を活用する事業として、かわまちづくり、川口二丁目地区整備、ウララ広場大屋根設置、大和町北地区まちづくり、亀城モール(アーバンオアシスゾーン)整備、公共サイン整備、荒川沖木田余線道路整備、土浦駅東口ペデストリアンデッキ延伸整備などを盛り込んだ。
川口二丁目地区整備事業では、眺望を活かした飲食施設や温浴施設、観光物産施設、サイクリングなどの拠点などの機能を盛り込んだ複合レクリエーション施設を整備。また川口運動公園は、国体茨城大会に合わせて、野球場観覧席の増設整備などを行う。
大和町北地区まちづくり事業では、計画的に良好な市街地の整備を図るため、駅北地区の再開発に併せ、区画道路などの都市基盤整備を図るとともに、地権者が進める共同住宅建設を行政が支援する。
中心市街地の「へそ」にあたる都市計画道路中央立田線の川口一丁目交差点から中央一丁目交差点の北側においては、亀城モール(アーバンオアシスゾーン)を整備する。
荒川沖木田余線は、ホテルCANKOから国道354号バイパスの区間がボトルネックとなり交通渋滞が発生しているため、同区間を4車線化し渋滞緩和を図る。
また霞ヶ浦へのアクセス向上を図るため、現在東横イン前まで整備されている、土浦駅東口ペデストリアンデッキを延伸して歩車分離を行う。
このほか中央一丁目地区まちづくり事業では、まちなか子育て支援拠点や商業施設の導入を推進。駅北再開発事業区域に隣接する市有地約0・23haでは、効果的な土地活用を促進する。
「都市福利施設整備」では、新庁舎整備事業のほか、新図書館整備事業、美術品展示室整備事業を盛り込んだ。また市内にある国や県の出先機関の統合や建て替え、移転などの際は中心市街地に誘致する都市福利施設立地促進事業も掲げた。
「まちなか居住の推進」では、大和町北地区まちづくり事業を再掲。このほか賃貸住宅家賃や新築住宅建て替え・購入、共同住宅建設促進の補助事業を実施する。
「商業活性化」では、まちなか交流ステーション事業、(仮称)まちなかウェルネスステーション事業、(仮称)まちなかフラワーロード事業、市観光物産拠点施設整備事業、土浦花火展示室整備事業、中心市街地「まちの駅」おもてなし事業、川口運動公園野球場整備事業、温泉スタンド事業など。
このうち観光物産拠点施設は、駅東口にあるキララ館を新庁舎が整備されるウララビル内に移転する。キララ館跡地には土浦花火展示室を整備する。
(仮称)まちなかウェルネスステーションは、霞ヶ浦の水辺エリアやサイクルロードへの拠点施設整備、中心市街地の空き店舗を利活用した健康づくりの拠点を整備する。
【図=事業位置図】