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国土交通省渡良瀬川河川事務所

渡良瀬河川の本年度事業概要

2014/05/13 群馬建設新聞


国土交通省渡良瀬川河川事務所(堤盛良所長)は、2014年度事業概要を公表した。本県内で工事が多い砂防事業費は前年度から2%増の10億5600万円を投入し、桐生市やみどり市で砂防堰堤や護岸工事を実施する。河川事業費は11億3300万円(対前年度比99%)、揚排水機場の改修などに充てる河川維持・河川工作物関連応急対策費は14億2500万円(同147%)とし、事務所全体では36億1400万円(同115%)となっている。

本県内の砂防事業からみると、桐生市川内町5丁目を流れる一級河川山田川支川の日暮沢砂防堰堤事業へは、1億4800万円を投入。昨年度に発注し2カ年工事で進む2号堰堤の築造が対象。下流から3堰堤の建設を行う事業で、予定では来年度にも3号堰堤の工事に着手し、2016年度には事業完了となる。

同じく川内町5丁目の山田川支川の大久保沢砂防堰堤事業には、1億2700万円を措置した。本年度は副堰堤、側壁、水叩きなどの建設工事1件を上期中に発注する。コンクリート打設量は約2000立方m。災害時の要援護施設を保護するために堰堤1基を新設しており、来年度に流末処理工事を発注して完了する計画。

桐生市黒保根町を流れる小黒川での関守床固群事業には、1億9100万円を計上し、事業区間の最下流部右岸で護岸を建設する工事を上期中に発注する。工事はコンクリート打設量700立方m、巨石積み工800㎡などが中心。これとは別に、昨年度補正予算で工事費を確保した3号堰堤工事がまもなく開札される。来年度以降に4号堰堤と左岸護岸工の建設に入り、予定では17年度には事業を完了させる。

本県内の委託関連では、3事業にそれぞれ用地調査委託費3000万円が配分された。みどり市東町荻原では、渡良瀬川本川で花輪床固群事業が計画されており、本年度は用地交渉を進め砂防指定地の指定手続きも行っていく。

桐生市黒保根町下田沢地先を流れる小黒川では、関守床固群の建設箇所からさらに上流部で堰堤1基を整備する平沢砂防堰堤事業が予定され、用地調査を実施する。また、黒保根町宿廻の深沢川支川梨木川では、8号砂防堰堤事業が計画されており、同様に用地調査を行う。

栃木県側の砂防事業では松木山腹工事業での落石防護網工のほか、老朽化した砂防堰堤補強事業の第一弾である松木川1号砂防堰堤の改築工事が実施される。同事務所では管内75基の砂防堰堤を対象とした補強計画があり、来年度以降、群馬県側でも桐生市黒保根町の川口川砂防堰堤を皮切りに、順次工事が実施されていく見通し。

河川事業は栃木県側がメーン。

佐野市を流れる秋山川では用地買収と堤防工事を進行させるほか、橋梁の架け替えに向け下部工に着手する。足利市と太田市で計画されている渡良瀬川上流部堤防強化事業は、両岸で用地買収を行い、まとまった用地が確保できれば工事を発注していく。

河川維持・河川工作物関連応急対策は、昨年度から引き続き佐野市の三杉川揚排水機場で、老朽化したポンプ設備の改修を進めていく。


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