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民活導入などを検討/卸売市場の経営展望策定へ/千葉市が公募型プロポ

2014/06/06 日刊建設タイムズ


 千葉市地方卸売市場は、同市場経営展望策定業務を公募型プロポーザル方式で委託する。6月20日に企画提案書の提出を締め切り、同26日のプレゼンテーションを経て6月30日に選定結果を公表する予定。今後ますます激しくなる市場間競争に対応するため、市場全体の経営戦略の視点に立って、卸売市場の将来的なあり方を示す経営展望を策定する。

 参加資格は、過去5年間に、卸売市場の基礎調査、将来構想及び整備計画などのコンサルティング業務受託の実績を有することなど。委託期間は契約締結日の翌日から2015年3月31日まで、委託限度額は1000万円(消費税を含む)とする。

 事業者選定にあたっては、①市場取扱高の減少について②市場内遊休地(施設)の活用について③市場の管理運営体制についての3つの課題テーマを設け、提案を求める。

 千葉市地方卸売市場(美浜区高浜2-2-1)は、今年4月に中央卸売市場から地方卸売市場に移行した。卸売市場は、少子高齢化等による社会構造の変化、食料消費・小売形態の変化や消費者ニーズの多様化などにより、全国的にも取扱高の減少が続いている。

 こうした中で、将来を見据えた経営展望を策定することとし、現状分析、基本方針及び行動計画の策定、場内業者の意見集約等の業務を委託することにした。

 現状分析では、同市場を取り巻く外部環境の評価として、千葉市周辺の流通環境、商業環境、小売動向の実態調査を行い、生鮮食料品の流通や販売にかかわるニーズ、競合相手、解決すべき問題点を明らかにする。また、市場内部の評価として、流通形態及び場内事業者の経営状況等の実態を把握し、マーケティング、品揃え、品質保持、情報発信、物流などの業務遂行能力について、競合相手と比較して評価する。

 基本方針及び行動計画の策定では、現状分析に基づいて機能強化の方向性を明らかにしたうえで、①場内施設、敷地の有効活用の検証及び取り組み②場内事業者の経営強化③市場の活性化に向けた検証及び取り組み④施設修繕計画の点検・見直し⑤市場の管理運営体制⑥その他について基本方針を策定する。

 このうち場内施設、敷地の有効活用の検証及び取り組みでは、場内施設の効率的な利活用、駐車場スペースの有効利用、花卉市場予定地(事業者用福利厚生施設)の活用(花卉市場以外に場外市場、配送センター、加工施設等)などについて検討。また、市場の活性化に向けた検証及び取り組みでは、ほかの卸売市場との連携や低温卸売場・冷蔵施設の整備による品質管理及び流通量の向上、生鮮食料品等の品揃えに関する特色化、市場PR等について検討する。

 さらに、施設修繕計画の点検・見直しでは、大規模修繕を踏まえた施設修繕計画の点検・見直し、施設修繕に伴う財源(使用料改定、PFI等)の検討を行うほか、市場の管理運営体制についても、これまでの公設公営方式を維持することに加え、指定管理者制度の導入や公設民営化の可能性についても検討する。


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