記事

事業者
神奈川県藤沢市

藤沢市がいずみ野線延伸の新駅周辺のまちづくり計画を年度内に策定

2014/06/17 日本工業経済新聞(神奈川版)

 藤沢市は、相模鉄道いずみ野線湘南台から市西部方面への延伸計画に伴い設置が検討される2つの新駅周辺のまちづくり計画について、年度内にとりまとめることを明らかにした。市議会常任委員会で示したもので、湘南台の次に設けるA駅は、秋葉台公園の整備を中心に、駅前広場整備とともに施設の誘導を促す。その次のB駅は、調整区域となっていることから市街化区域編入に向けた手続きを進めながら、開発を行う。

 設置を検討している2つの駅のうち、湘南台駅に次のA駅は地下駅として考えられ、周辺に秋葉台公園、桐原工業団地が立地する。これまで、学識者らで成る検討委員会で議論を重ねるとともに、周辺地域の住民を対象としたアンケート調査、意見交換会を実施し、検討委は5月に市長に提言したところ。

 提言では、秋葉台公園をまちのシンボルとし、野球場、テニスコートの整備を着実に進める。レストランやカフェ、金融機関、医療機関の立地誘導、マンションの低層階への商業施設の配置を促す。駅前広場については、駅周辺と秋葉台公園の2案を提示した。市では、提言を踏まえ、検討を進め、パブリックコメント等を実施し、年度末をメドに計画をとりまとめる。

 一方、B駅は、市街化調整区域で市が健康と文化の森地区と位置づける場所に設置が予定されている。市が16日から手続きを開始したパブリックコメントで示した同地区のまちづくり構想案によると、現在の田園空間、自然環境を維持しながら、駅を中心に拠点性を創出し、コンパクトな市街地の形成を目指す考えだ。今後、28年夏頃の市街化区域編入への候補地となる保留区域の設定に向け、権利者の意向把握とともに県と協議・調整を図りながら、手続きを進める。

 相鉄いずみ野線延伸については、市をはじめ県、沿線の藤沢市及び慶應義塾大学、相模鉄道の4者で平成22年に実現に向けた検討会を設置し、湘南台駅~慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス周辺(約3.3㎞)について、単線で鉄道を運行する検討結果をまとめている。事業採算性については、一般的な資金調達に加えて、建設費、運行経費の圧縮や建設資金について無利子資金の調達を行うなどの方策を行うことで事業採算性を確保できる見込みが立つとの見通しを示している。


紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら