茂原市の本納駅東地区まちづくり推進協議会(富田晃輝会長)は、このほど「本納駅東地区まちづくり計画(地区計画)提案書」をまとめ、田中豊彦市長に手渡した。提案書では、公共施設の整備方針や土地利用方針を示すとともに、地区計画の導入について2段階での実施を提案した。第1段階では2015年を目標に、地区全体24・9haを都市計画決定するとともに西側半分の用途地域を変更。その後、赤目川、乗川の浸水対策完成を待って、大規模利便施設の誘致を予定する国道側の東側半分の用途地域を変更する方針。
公共施設の整備では、準用河川乗川の整備、都市計画道路・補助幹線道路・区画道路の整備、都市公園の整備などが予定されている。
都市計画道路は、本納駅東口駅前交通広場4500㎡、都計道本納駅東口線(W22m・L368m)を街路事業によって整備。補助幹線道路のうち東西軸道路は、駅西口との連絡機能と歩行空間の安全性に配慮し、道路改良事業により整備。それ以外の補助幹線道路は乗川の整備状況を見ながら整備を行う。区画道路は必要に応じて市が用地買収を行い道路網の骨格を整備するほか、道路沿いの水路は廃止や暗渠化と併せて道路(歩道等)として利用。
東西に流れる水路4本については、下流で利用している農地が転用され、水路が不要となった場合に歩行者専用道路(1~4号、W3m)として整備する。都市公園は市が主体となって、乗川のカーブした北側に約3000㎡を整備する。
また土地利用では、区域を①駅前地区②利便施設地区③鉄道沿線地区④一般住宅地区の4地区を設定。駅前広場から都計道沿線を駅前地区と位置付け、本納駅に連担する中心市街地の一部として、賑わいを創出する店舗等の立地を誘導。
国道128号から乗川までの区域を利便施設地区とし、日常生活の利便に供する商業・業務や農業振興関連施設の立地を、現在の社会情勢や企業の出店意向に応じて柔軟に誘導。
鉄道沿線地区は、駅前地区と調和を図り、店舗・集合住宅の立地を誘導し、鉄道沿線地区と乗川に挟まれた地区を一般住宅地区として、中高層の戸建て・集合住宅を主体とする住宅市街地を保全することとした。
一方、地区計画については、第1段階として15年を目標に、地区全体の地区計画を都市計画決定すると同時に区画整理施行区域の解除を行い、地区の西側半分の用途地域を変更。その後、第2段階で赤目川、乗川改修の浸水対策の完成を待って、大規模利便施設の誘致を予定する東側半分(国道側)の土地利用が可能となるような用途地域変更を行う方針。
地区計画では、建築物の用途制限として、駅前地区は麻雀屋、射的場、馬券・車券販売所等、畜舎を、鉄道沿線地区は公衆浴場、畜舎を、一般住宅地区は公衆浴場の建築を禁止し、利便施設予定地区は用途地域の制限のままとする。建築物の敷地の最低限度は各地区とも150㎡とし、地区別に壁面後退を設定。建築物の形態や色彩、その他意匠等についても制限を設け、垣またはさくの構造の制限も定める。
このほか、今後はJRへ①東口改札の開設及びエレベーターの設置②常時快速停車③田中下踏切の移設④中曽根踏切の拡幅⑤本納駅ホームへの屋根の設置――などの要望も積極的に行っていく。
同地区は03年12月に土地区画整理事業施行区域として都市計画決定され、都市基盤整備に向けた準備が進められたが、社会情勢が変化し、事業化が困難な状況となったことから、地元有志による研究会が立ちあがり、地区計画によるまちづくりに転換。地元協議会の設置に併せて市が事業を支援している。