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神奈川県横浜市

横浜市が地下鉄3号線延伸計画検討調査をパシコンに委託

2014/07/05 日本工業経済新聞(神奈川版)

 横浜市では、首都圏の広域的ネットワーク及び地域の活性化にも重要な鉄道として、高速鉄道3号線延伸(あざみ野~すすき野付近~新百合ヶ丘)を位置づけ、その整備手法の検討、事業化に向けた基礎調査26年度において行うことを林市長が議会において明らかにしたが、今回その業務をパシフィックコンサルタンツに委託することになった。

 横浜市内を走る鉄道網を中心に、交通体系のあり方を考える場として設置された専門家で成る「次世代の総合的な交通体系検討会(議長・屋井鉄雄東京工業大学大学院教授)」で、3号線は優先度の高い路線として、26年1月に開催された第5回検討会において考え方をまとめた。この検討会は、運政審での目標年次(27年度)が迫っていることや、パーソントリップ調査に基づく利用者の行動特性の変化及び、厳しい市の財政状況のなか、求められる行政コストの適正化、選択と集中による交通基盤の整備、持続可能な財政運営、さらに中央新幹線(リニア)の手続き開始、羽田空港の国際化など交通環境の変化が起きていることを背景に23年度に設置した。

 高速鉄道3号線(あざみ野~すすき野付近~新百合ヶ丘)は、市営地下鉄ブルーラインと同じ普通鉄道を想定し、全線シールド工法と山岳工法を併用した場合で試算し、概算事業は1,300億円から1,500億円と見込んだ。累積資金収支は23年~31年目で黒字転換すると試算している。広域的な交通利便性の向上が期待される路線で、かつ事業としての採算性が比較的高いことから、優先度の高い路線とした。

 今回の委託業務の内容は、現地踏査と対象地域の現状把握、過年度検討を踏まえた設計に必要な諸条件の整理及び、ルート及び駅位置の比較検討等を行い、事業化に向けた基礎資料を作成するもの。


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