土浦市は、都市再生整備計画「市中心市街地地区」(地方都市リノベーション事業)を策定した。事業期間は18年度までの5年間で、対象区域118・8ha、事業費総額70億6700万円。主なものでは、土浦駅西口側で図書館・ギャラリー整備、ペデストリアンデッキ・バス乗降場へのシェルター設置、(仮称)大和町公園および亀城モール整備など。東口側では、霞ヶ浦湖畔への(仮称)土浦港周辺広域交流拠点を中心に、ペデストリアンデッキ延伸や遊歩道整備を進める。
市とその周辺では、幹線道路の整備などに伴い、郊外型大型店の出店が相次いでいる。2013年には土浦駅前の大型商業施設が撤退し、15年には土浦駅から約1・3kmの場所にある大型病院が郊外へ移転する予定。これにより土浦駅を中心とした中心市街地の空洞化が更に進むことが想定されるため、土浦駅周辺地区を中心拠点に位置づけ、市庁舎や図書館などの公共公益施設を移転させるほか、魅力ある空間を整備することで、市民および来外者の交流人口増加を図る。
また暮らしやすい環境を整備することで居住人口増加を図るほか、活用の進んでいない霞ヶ浦など土浦駅近くにある水辺を観光・レクリエーションの場として整備していく。
このため市は、社会資本整備総合交付金の基本となる「市中心市街地地区」都市再生整備計画を策定。118・8haを対象に交付金70億6700万円を活用し、本年度から5年間で整備を進める。
このうち、公共公益施設を集約することによる土浦駅周辺の利便性・魅力の向上に向けて、基幹事業に図書館およびギャラリー整備、(仮称)大和町公園、ウララ広場(屋根整備)、土浦駅西口既存ペデストリアンデッキシェルター整備などを盛り込んだ。
図書館およびギャラリーは、JR土浦駅前北地区再開発事業複合施設の核として整備する。建物はS造・制震構造の地上4階建て、延べ床面積約1万3060㎡で、このうち図書館が延べ5250㎡、ギャラリーが延べ950㎡。現在㈱INA新建築研究所(東京都文京区)で設計を進めている。施設棟の工事は2015年6月ごろから取り掛かり、16年度内の工事完了、17年7月の供用開始を目指す。
土浦駅西口側では、既存ペデストリアンデッキにシェルター(A680㎡)、バスの乗降所にシェルター(A2330㎡)やベンチ(14基)を整備する。
(仮称)大和町公園は、イトーヨーカ堂跡地(ピ!パーク駐車場)へ公園・広場を整備するもの。敷地は3300㎡で、本年度は基本計画を策定する予定。交付対象事業費は8500万円。
霞ヶ浦などの水辺と亀城公園周辺の歴史的資源を活かした魅力ある空間の創造に向けた基幹事業には、(仮称)土浦港周辺広域交流拠点整備、亀城モール、土浦港北側(遊歩道)、土浦駅東口ペデストリアンデッキ延伸など。
このうち(仮称)土浦港周辺広域交流拠点は、霞ヶ浦に面した市有地を利用して、親水公園やイベント広場などを整備し、隣接するマリーナや大規模自転車道を活かした賑わいを創出する。規模は2・6haで、事業機関は本年度~18年度まで。全体事業費は7億4300万円。
また土浦駅から交流拠点までのアクセス道路として、土浦港北側遊歩道(L400m、W3m)を整備するほか、土浦駅東口ペデストリアンデッキを延伸(L60m、W3m)する。
亀城モールは、土浦駅から歴史的街並みが残る亀城公園周辺への回遊動線を確保するとともに、魅力的な街並みおよび快適な商業空間を形成する。整備面積は約2900㎡。事業期間は17年度までで、総事業費は7億7300万円。本年度は用地取得や補償を進める。
効果促進事業としては、桜川などにおけるかわまちづくり事業(遊歩道・環境護岸・駐車場・トイレ)や情報板設置を実施する。
公共交通機関の利便性・快適性向上に向けては、土浦駅西口バスシェルター・ベンチや情報板整備を基幹事業としたほか、関連事業として、都市計画道路荒川沖木田余線整備事業を盛り込んだ。
【図=整備方針概要図】