国土交通省常陸河川国道事務所と磐城国道事務所は、北茨城市と福島県いわき市を結ぶ国道6号勿来バイパス計画(約4・2㎞)について都市計画素案に関する住民説明会を24~27日にかけて両県で開催。そのうち茨城県側では常陸河川国道事務所が住民へ計画概要などを説明。特にこれといった質問はなく説明会が終了した。県内の計画範囲は約1・7㎞。順調に進めば12月の県都市計画審議会に諮られ、年度内に都市計画決定される見通し。決定後には、常陸河川国道事務所による事業実施が見込まれる。
国道6号の北茨城市~いわき市間は、交通量が2車線の容量を上回り、追突事故も多い。東日本大震災では津波で浸水し、いわき市勿来の御城前交差点付近は約2日間通行止めになった。
さらに、北茨城市からいわき市の総合磐城共立病院へ患者を搬送する場合も多いが、渋滞が多く、速達性に劣っている。これらの課題を解決するため同省では勿来バイパス計画を検討することにした。
都市計画素案に関する説明会は、24、26日に福島県内、25、27日に茨城県内で開催。県内は北茨城市立関本第一小学校体育館で開催され、集まった住民らに常陸河川国道事務所が説明。都市計画の手続きや計画場所、事業趣旨、これまで実施してきた計画段階評価の流れ、ルート全般、断面構造などに触れた。住民から、これといった質問は出なかった。
勿来バイパスの計画範囲は、茨城県区間(仮・関本中線)が北茨城市関本町関本中の約1・7㎞で、福島県区間(仮・関本中四沢線)が福島県いわき市勿来町関田関山から同町四沢鍵田までの約2・5㎞。茨城県区間は2車線計画だが、福島県区間については4車線化事業が進んでいる。
県内区間は、ほとんどが山林で、住宅地にはかからない。そのため盛土や切り土の工事がメーンとなりそうだ。
今回の説明会を経て、夏過ぎにも県都市計画公聴会が開かれる予定。秋には都市計画案の公告・縦覧が行われ、市からの意見聴取を経て、順調に進めば12月には県都市計画審議会が開かれる予定だ。その後、国土交通大臣から同意を得て、年度内には都市計画決定の公告・縦覧がなされる見通し。
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