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国交省 深澤淳志道路局長就任インタビュー

2014/09/03 本社配信

 国土交通省の深澤淳志(ふかさわ・あつし)道路局長は2日に建設専門紙記者会の就任インタビューに応じ、本格化する道路メンテナンスについて、「総力戦でいくしかない。民間の活用は一つの大きなカギになる」と語った。

 本年度に全国の橋梁(約70万橋)、トンネル(約1万本)などの全数監視を義務化した。深澤局長は「あれだけのボリュームのものを点検しなければいけない。民間の資格を持った技術者の方にきちんとやっていただく。それを役所の方でもチェックしなければいけない。診断ができたら、それぞれの傷み方に応じて、大手や地場の施工者に直していただく。役所、コンサルタント、施工者の三種類の技術者が、とにかく力を合わせてやるしかない」と強調した。

 新設と補修との道路予算配分の考え方については「補修は必ずやらなければならない。どちらかというと先取り」とした上で、「残った予算で(新設を)やっていかなければならない。維持管理費はこれから伸びていく。だからこそ、全体のパイをある程度増やさないと、本当に必要な道路整備にまわるお金が減ってしまう。そこが懸念されるところ」との見解を示した。

 また「道は主役ではなくて、芝居でいえば舞台のようなもの。それを使って、色々な人に楽しく元気に踊ってもらえれば良い。時代に応じて、舞台の上で踊っていただく人のために、どういう道をつくったら良いかを考える」との考えを披露した。

 さらに「我々の仕事は現場が第一。本省にいると机の上の政策論になりがちだが、常に現場を意識しながら、現場の人間がどう考えるか、あるいは地域の方々がどう思っているかを意識しながら仕事をしなければいけないと思っている」との取り組み姿勢を示した。

 今の時代の道路行政に求められている点として五点を挙げた。「一つは人口減少社会において、日本の国土の中でそれぞれの地域が頑張ってもらわなければならない。地方がこれからどうやって生きていくか。そのために道路整備がどういう役に立てるのか。二つ目は、日本が元気になっていくためには成長が絶対に必要で、成長を支えるために、道路がどういう役割を果たせるのか。三つ目は、ここまで特に車用の道路整備が進んできた中で、ある特定のところが混んだり、思ったように使われていないなど、バランスがうまくいっていない部分がある。今までつくってきた道について、色々な手段を使いながら、全体最適になるような賢い使い方をしていかなければいけない。四つ目はメンテナンス。老朽化する資産を、いかに後世に安全なものとして残していくか。五つ目は安全・安心な国土をつくり、守っていく上で、どういう役に立つか。これには二つのフェーズがある。一つは、きちんとしたものをつくる、あるいはメンテナンスしていく。もう一つは、災害がいざ起きた時に、現場に駆けつけて速やかに行動するためにはどうするかを事前に計画しておくことが大事」と話している。

メンテナンスで「民間の活用は一つの大きなカギになる」と強調した深澤淳志道路局長

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