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平準化への取組み開始/債務負担での前倒し発注/土木部工事で試行/千葉市

2014/09/22 日刊建設タイムズ

 千葉市は、改正公共工事品質確保促進法(品確法)、改正公共工事入札契約適正化法(入契法)、改正建設業法(建設業法)、いわゆる「担い手3法」の成立を受け、公共工事の平準化への取り組みを開始する。債務負担行為を設定し、2015年度に予定している工事の契約行為を14年度に前倒しして行い、15年度当初から工事に着手できるようにする。これに伴い、本年度12月補正で対象工事の債務負担行為を設定する予定。

 対象となる工事は、建設局土木部所管の工事。まず、市内業者向けに、市民生活に密着し、効果的かつ実効性の高い道路や側溝改良工事で試行する。12月補正での債務負担行為設定に向け、今後、4土木事務所で対象となる工事や予算規模を協議・調整する。

 東日本大震災等による復興事業や防災・減災、老朽化対策、耐震化等の担い手として、建設業の果たす役割は増大しているが、一方で、公共工事費の削減等による競争の激化でダンピング受注が増え、そのしわ寄せにより中小企業や下請企業の経営環境、労働条件等の悪化を招いている。

 こうした中で、本年度の国会において将来にわたっての「担い手の確保」を目的とした品確法を中心に、関連する入契法、建設業法を一体とした法案が審議され可決、成立。

 品確法においては、「発注者の責務」として、市場や工事の実情に見合った適正な予定価格を設定するとともに、ダンピング防止のため、低入札価格調査基準や最低制限価格の設定が責務とされた。また、以前から業界の強い要望があった発注の平準化に取り組むことも明記された。

 これを受けて千葉市も、安全・安心な街づくりの担い手となる市内建設業者の経営の効率化及び安定化、公共工事の品質確保を目的として、公共工事の平準化の取り組みを開始することにした。

 債務負担行為の設定による前倒し発注により、以前から工事の空白期間として指摘されていた4~5月期に着工する工事が増え、受注者の適切な工期の確保や経営の安定化も期待できるようになる。

 千葉市によると、同様の措置について近県では、さいたま市、横浜市、相模原市等が実施しているほか、県内では柏市も本年度工事の一部で実施しているとしている。

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