全国中小建設業協会が2日に都内で開いた改正品確法などに関する全国ブロック別意見交換会で、発注者による「実質歩切り」の問題を指摘する声が複数挙がった。役所が予定価格を作成する過程でメーカーなどから見積もりを徴収する場合、その後の予定価格設定ではメーカー提示金額の七掛け、八掛けで用いているケースがあるという。
通常、歩切りとは積み上げた設計金額から最終的に数%程度カットして予定価格を設定する行為を指す。このため、積み上げる過程での見積もりを控除する行為は厳密には歩切りではないものの、「歩切り以前の問題」「歩切りどころか割引」といった意見が挙がっている。
改正品確法では予定価格の適正な設定を発注者の責務と規定しており、「実質歩切り」が事実であれば、明らかに法律違反となる。
出席者によると、見積もりを提出したメーカーも、役所が最終的に七掛け、八掛けにして使っていることを知らないケースがある。また自治体は当初の「予算ありき」で、「見積もり項目があれば、そこで帳尻合わせ」を行っている側面があるという。
さらに「同じ発注者であっても、担当者ごとに(割引率が)違ったりする」といった指摘もあり、改正品確法の運用に際しては「部署や担当者による差が出ないように」という初歩的な要望も出た。