国営大利根用水土地改良事業がこのほど計画確定し、事業が本格的にスタートする。本年度は事業費1億8000万円で、笹川機場の電気設備更新(特高受電設備更新)、新川機場の駒込堰改修の実施設計と両機場の建屋補修工事を実施する。笹川機場の電気設備及び駒込堰の改修は本年度で設計を行い、2015~16年度の2か年で工事を実施する。
本年度の設計は、利根川水系土地改良調査管理事務所が簡易公募型プロポーザルで発注し、駒込堰の改修は技術提案書を先月30日に締め切り、今月17日に開札する。また笹川機場の電気設備改修は、先月18日に簡易公募型プロポーザルを公告し、今月28日に技術提案書の提出を締め切る。駒込堰の改修はゲートの補強工事を実施する。
同事業の事業期間は14~23年度の10か年で、総事業費約37億円を投入する計画。事業費の内訳は、揚水機場3か所の改修が25億6500万円、排水機場の改修が8億5400万円、用水路の改修が2億2900万円、排水路改修が5200万円。
同事業は、旭市、匝瑳市、香取郡東庄町及び山武郡横芝光町にまたがる約8832haを対象に、施設の維持管理の費用削減と労力の軽減及び農業用水の安定供給、湛水被害の防止を図るため、農業水利施設の機能保全整備を行う。
主な改修施設は、笹川、新宿、新川の揚水機場3か所と、大幹線、東幹線、西幹線、新宿幹線、野田支線、須賀栄支線、東陽白浜支線、反覆新七間線、反覆秋田線、反覆富浦線の用水路9・3㎞、それに新川排水機場1か所と大布川、新堀川の排水路0・2㎞。
笹川揚水機場は横軸渦巻型揚水機φ1200㎜・720kw3台で、揚水量10・33立方m。新宿揚水機場は横軸渦巻型揚水機φ900㎜・370kw2台、φ600㎜・150kw1台で、揚水量4・25立方m/s。新川揚水機場は立軸斜流型揚水機φ600㎜・250kw1台、φ600㎜・135kw1台、φ500㎜・220kw2台で、揚水量2・40立方m/s。主な改修の内容はポンプ設備、電気設備、上屋等の改修。
また用水路は、大幹線1・2㎞(コンクリート開渠0・9㎞、トンネル0・3㎞)、東幹線0・6㎞(コンクリート開渠0・5㎞、トンネル0・1㎞)、西幹線3・9㎞(コンクリート開渠3・6㎞、トンネル0・3㎞)、新宿幹線0・1㎞(管水路)、野田支線0・7㎞(コンクリート開渠)、須賀栄支線1・3㎞(コンクリート開渠)、東陽白浜支線1・2㎞(コンクリート開渠)、反覆新七間線0・1㎞(管水路)、反覆秋田線0・1㎞(管水路)、反覆富浦線0・1㎞(管水路)。
一方、排水施設は、新川排水機場が立軸軸流式φ2800㎜・630PS3台、φ1800㎜・190kw1台で、排水量60立方m/s。排水路は大布川がコンクリート矢板0・1㎞、新堀川が同0・1㎞。
主な工事の工程は次の通り。
▽笹川機場=14年度建屋等補修、15~17年度電気設備更新(特高受電設備更新)、18~22年度ポンプ設備部分更新、補修▽新宿機場=14年度建屋等補修、16年度除塵機更新、17~20年度電気設備更新、ポンプ設備部分更新▽新川機場=14年度用水ポンプ塗装、15~16年度駒込堰ゲート補強、17年度用水ポンプ部分更新、吉崎堰補修、19~22年度水管理設備更新、21年度用水ポンプ部分更新、22年度新川堰補修▽用・排水路=14年度新宿幹線バルブ補修、17年度排水路補修、20年度幹線用水路補修