千葉県管工事業協同組合連合会(臼倉進会長)と国土交通省関東地方整備局千葉国道事務所(松浦利之事務所長)による「災害応急対策業務に関する協定」の締結報告発表会が7日、千葉市内の県水道会館で開かれ、連合会側から臼倉会長をはじめ岡本和也・副会長、今井昭・常務理事が出席した。災害時における千葉国道事務所庁舎敷地内の水道、排水設備に関する災害応急対策業務に関して、被災した個所の応急対策を実施するにあたり、その実施方法を定め、被害の拡大防止と早期復旧に資することが目的。関東地方整備局では、今回の災害応急対策業務に関する協定の締結を全国で初めてとなる「水の管理」におけるモデルケースと位置付けた。これを成功させた後には、各地方整備局とも連携し、全国に発信していく考えがあるという。
緊急措置・応急復旧・飲料水提供
この災害応急対策業務の実施個所は、千葉国道事務所(千葉市稲毛区天台5-27-1)をはじめ、千葉出張所(千葉市中央区都町1252-11)、酒々井出張所(印旛郡酒々井町上岩橋1155)、木更津出張所(木更津市潮見3-17)、柏維持修繕出張所(柏市吉野沢3-9)、船橋出張所(船橋市東船橋5-2-1)の所管庁舎敷地内にかかる水道及び排水設備。所管庁舎に災害が発生し、必要と認める時は、県管連に対して業務の協力を電話または書面で要請できる。
業務内容は、危険個所にバリケードやロープ等の設置、危険個所を周知する案内板の設置の「緊急措置」、各被災個所の状況に応じた応急措置としての復旧を実施する「応急復旧」、水道が機能する間、給水車派遣等により飲料水を提供する「飲料水の提供」。
千葉県水道局は全国3番目の給水区域で、都市部の11市町村を給水。県水道局長と臼倉会長との間では災害協定を締結。県内全体の水道事業体としては、県水のほか23の事業体があり、そのすべてにおいて臼倉・県管連会長と日本水道協会千葉県支部長である森田知事と災害協定を結んでいる。前述の千葉国道事務所出先機関のうち、酒々井出張所(酒々井町)、木更津出張所(木更津市)、柏維持修繕出張所(柏市)については、県水道局のエリアではないことから、県水道管工事協同組合ではなく、県管連として協定を結んだという。
千葉市には一時滞在施設で提供
一方、千葉国道事務所と千葉市では先ごろ、災害時の施設提供などを定めた協定を締結。「地域にある国の施設として貢献したい」と、千葉国道事務所が千葉市に働きかけた。この協定では、地震や風水害などの災害発生時に帰宅困難者がいた場合、同事務所1階の食堂部分(55㎡)を一時滞在施設として開放。国の機関が一時滞在場所に指定されるのは、県内では初めての事例だという。
全国のモデルケースとして、千葉国道事務所との水道、排水設備に関する災害応急対策業務の協定を締結した千葉県管工事業協同組合連合会の臼倉進会長は「東日本大震災クラスの災害が起きた時に、その場に避難された方、また、国道をはじめ道路の復旧、交通を整備する上でなくてはならないライフラインの水を優先的に確保してほしいということで、我々としてはそこに水を供給する災害協定を結びたいと思っている」と弁。また「国道事務所のみではなく、今後は、県県土整備部の各出先機関を含めた災害協定を県管連として結び、県民に対してより良い水をより早く復旧して届けたいという我々の使命を全うしたい」と述べる一方、「インフラは電気・ガス・水道とあるが、中でも水道の要素が高くなっている。県管連としては県土整備部との間で独自の協定を考えていかねばならない」との決意を示した。