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茨城県水戸市

水戸市が新庁舎基本設計策定

2015/01/14 日本工業経済新聞(茨城版)


 水戸市の新庁舎建設基本設計がこのほどまとまった。資材価格や労務費などの上昇により、概算事業費は基本計画策定時から約55億円増加し、206億3000万円程度を見込む。建物は免震構造のRC造地上7階(一部8階、地下1階、塔屋1階)建て延べ面積約3万2670㎡(地下駐車場・バルコニー部分を除く)で、建築面積約6150㎡、高さ約34m。今後はことし10月ごろをめどに実施設計をまとめ、順調ならば来年4月から本体建物工事の入札手続きに着手する。竣工は18年6月を予定している。

 新庁舎は現在地(中央1-4-1、A2万2487・03㎡)に建て替える。消防本部庁舎と水道部庁舎を庁舎に集約し、災害時は防災拠点となるよう防災センター機能を整備する。設計は久米・柴建築設計共同企業体。

 建物は敷地の南西側に配置。1階の高さは周囲地盤レベルより1・5m高くし、庁舎の正面出入口は北側に置く。駐車場は平面と地下を設け、合計317台分を整備。電気自動車用充電器も設置する。駐輪場は270台。また、公共交通の利用促進に向け路線バスのバス停を敷地内に設ける。車両出入り口は市道駅南4号線(敷地西側)と市道駅南45号線(同東側)に設置する。敷地北東の駐車場下には雨水貯留槽を設置する。

 1~3階の低層階は市民の利用頻度の高い窓口・相談・情報提供機能を中心に配置。1~2階には屋内エスカレーターを設置する。4~6階は執務室とし、防災センター関連の機能は4階に配置。議会機能は7階とし、8階の一部に機械室、議場上部の屋上スペースにヘリポートを設置する。

 受変電設備は8階電気室に設置。電力は普通高圧2回線(本線・予備電源)で引き込む。非常用発電機設備の運転時間は72時間。エンジンは振動・騒音の少ないガスタービンを採用する。太陽光発電設備(30kW)は2・3階南側バルコニーと8階南側に設置する。

 エレベーターは15人乗りを合計5台、24人乗りと9人乗りをそれぞれ1台ずつ計画。受水槽(上下)容量は40立方m、雑用水槽容量は63立方m。非常時の汚水貯留槽容量は420立方m。給湯設備は中央給湯方式と局所給湯方式を併用する。

 試算による概算事業費の内訳は、建設工事費が185億2000万円(建築本体工事費=171億6000万円、外構工事費=13・6億円)、設計・工事監理費が4億2000万円、解体工事費が7億1000万円、その他経費が9億8000万円。基本計画では151億1000万円を試算していたが、資材単価や人件費などの上昇により55億円以上増加することとなった。

 執行部によると、設計の工夫や使用するガラスの縮小、外装素材の見直しなどを行うことで可能な限り事業費の抑制に努めるという。震災復興特別交付税や地方債などを活用し、実質的な市の一般財源負担額は約58億円を見込む。

 今後は実施設計や市民会館の解体を進めるほか、新年度事業としては雨水貯留槽設置工事や旧本庁舎解体工事を実施する。本体建物工事の期間は16年7月~18年6月ごろまでとし、8月から新庁舎での業務を開始する見通し。18年度には臨時庁舎の解体・撤去や外構工事を予定している。


 【図=外観イメージ、内観イメージ】

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