千葉県電気工事工業組合(嶋野貞雄理事長、組合員1280人)の創立50周年記念式典及び「千葉県電工会館」開所式・披露祝賀会が20日、千葉市中央区道場南の同会館で開かれ、総勢200人余りが出席。式典では来賓を代表して、東京電力㈱千葉支店の藤田昇支店長と同組合の庄司兼次郎・第4代理事長が、また、祝賀会では同じく衆議院議員の齋藤健氏と門山宏哲氏をはじめ、県防災危機管理部産業保安課の森文彦課長、全日本電気工事業工業組合連合会の米沢寛会長がそれぞれ祝辞を述べ、同組合の新たな門出を祝った。
テープカットによる新会館開所式に引き続き、会館内で行われた創立50周年記念式典では、主催者を代表して嶋野理事長があいさつ。新会館の完成が「3年掛かりの悲願」であることや、約30坪だった旧会館の敷地に対し、新会館は305坪と約10倍の広さを誇ることを説明。一方で「旧会館は立地条件が良かったことから、本来の資金の重要な部分が売却によって得られた。これも歴代の理事長をはじめとする諸先輩方の先見の明によるものであり、我々後輩としては非常に感謝している」と弁。
他方、当時の協同組合連合会から、1965年には、国により47都道府県に各一つが認められる工業組合を設立して50年が経つことについては「先輩から育てられて迎えた50周年を、我々は中継ぎとして100年、200年と繋げていく立場にあり、バトンタッチの時期でもある」との認識を示したうえで、来賓に対しては「これからお世話になることも多々あると思うが、『厳しい心』で叱咤激励して頂きたい」と要望し、あいさつに代えた。
全国の工業組合の先駆けに
引き続き、来賓を代表して東京電力㈱千葉支店の藤田支店長は「50周年の節目に新たな会館が完成したことは、誠に喜ばしいこと」と述べたうえで、「私どもはみなさんと運命共同体で仕事をさせてもらっている。今後も手を携えて進んでいきたい」と弁。
また、電気のシステム改革の中での大きな流れから、同社が他の電力会社に先立ち、来年から大きく4つに分社化されることに言及した氏は「混乱のないように我々が範を示して進めていきたい。さまざまな動きの中で、みなさんのビジネスの範囲も広がって来る。それらの場面でも新たな提案を双方で行うなど、さらに関係を深めさせて頂くことを心からお願いしたい」とし、「素晴らしい会館が完成し活用していくことで、発展する全国の工業組合の先駆けになるものと確信する」と述べ、祝辞とした。
同じく、同組合の庄司・第4代理事長は、自身が理事長に就任した1981年当時について「西千葉に事務所があり、5坪足らずの小さな狭い簡易事務所だった」と回顧。完成した新会館については「恒久的に活用出来る非常に素晴らしい建物であり、当時の出発点に比べて雲泥の相違がある。執行部をはじめ役員の方々の御骨折りが手に取るように分かるが、これを機に組合がますます発展されることを祈念する」と述べた。
連携を密に法令順守と保安確保
祝賀会の席では、県防災危機管理部の森文彦・産業保安課長が「貴組合には、電気工事士免状の交付事務機関及び電気工事業の登録業務を通じて、電気工事の保安の確保に協力頂いていることに改めて感謝申し上げる」と述べたうえで「今後も電気を取り巻く環境は大きく変化し、組合の果たす役割はますます重要になると思われる。県としても組合との連携を一層密にし、関係法令の順守など、保安の確保に努めていくので、今後ともみなさんのより一層の支援と協力を賜りたい」と呼びかけ、祝辞とした。
「明日の自分」は「今日の自分」が
引き続き、全日本電気工事業工業組合連合会の米沢会長は「嶋野理事長のあいさつを聞いていて『今日の自分は昨日の自分、明日の自分は今日の自分』という詩を思い出した」と切り出し、「この組織も50年間にわたり、我々の先輩方に1年1年歴史を積み重ねて来て頂いた。その中には本当に大変な時期が沢山あったと思われる。その先輩方が仲間のため、そして業界のために一生懸命取り組まれた証しが今となり、素晴らしい電工会館の完成に至った」と弁。「現代に生きる我々が将来の業界のために何が出来るのか」と質した氏は「とにかく頑張ることが、将来の電気業界に繋がるものと確信している。その意味でこの創立50周年は、先輩方の大変なるご苦労に心より感謝を申し上げ、そして我々がこれから先をどんな決意を持って進んでいくのかを誓い合う日だと受け止めている」との認識を示したうえで「将来のある若い世代のためにも、ともに切磋琢磨しながら頑張りたい」と述べ、祝辞を結んだ。
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千葉県電気工事工業組合の「千葉県電工会館 総合研修センター」の建設地は、千葉市中央区道場南1丁目72番の敷地1008・36㎡。建物の規模は鉄骨耐火造り3階建て延べ1384・19㎡(建築面積468・94㎡)で、1階がエントランスと駐車場、2階が組合事務所をはじめ貸事務所(3室)と45人対応の会議室、3階が210人収容のホール及び講習室。昨年4月に着工し、同年12月に完成。総事業費は3億7300万円。