県中北建設事務所(鈴木洋一所長)は、2015年度の主要事業をまとめた。本年度の重点事業では、甲府駅南口周辺地域の再整備を挙げ、▽一般車ロータリーの供用▽公共交通ロータリーの暫定供用▽中央工区道路工事▽中央広場大屋根建築工事▽中央広場整備工事▽信玄公像広場整備工事の発注-などの発注を目指す。
新規事業では、公園長寿命化計画による施設維持保全改修を年次的に進める。
小瀬スポーツ公園や曽根丘陵公園、緑ヶ丘スポーツ公園、舞鶴城公園、御勅使南公園が対象で、本年度は施設改修や園路整備を行う。
15年度の主要事業は次のとおり。
■道路関係
【国道411号・城東Ⅱ期バイパス】
甲府市東部から中心地へ向かう幹線道路として、既に供用を開始しているⅠ期工区(和戸町~砂田町、L1670m)に続き、朝気1丁目まで(L770m、W22m)を2005年度より事業化した。
主要な構造物は、JR身延線跨線橋(仮称:城東跨線橋)。本年度は、昨年度に引き続き道路改良工事のほか、電線共同溝工事などを行い、早期の供用を目指す。
【(仮称)早川・芦安連絡道路】
同連絡道路は、早川町奈良田地区と南アルプス市芦安地区を結ぶ。両地区は、県道南アルプス公園線、南アルプス林道などで繋がれているが、冬期は長期間の閉鎖。また、崩落により度々通行止めとなっている。
連絡道路の整備により、災害時の孤立化の解消など安全安心面や通年での観光などに大きな整備効果が期待されているため、昨年度に事業着手。主要な構造物はトンネル工、早川渡河橋梁で、整備内容は 約L5000m、W5・5(7・0)m。
これまでに測量や設計業務を行い、本年度は各種の許認可手続きを行うとともに、用地取得し、早期の工事発注を目指す。
【(主)甲府韮崎線ほか、電線類地中化事業】
電線類地中化は、1986年度から5期にわたる「電線類地中化計画」に基づき進めてきた。現在は第6期無電柱化推進計画に基づき地中化を実施している。
本年度整備の予定箇所は、6路線7カ所で、整備予定延長は約L1600m。
■河川・砂防関係
【鎌田川河川改修事業】
鎌田川流域は近年の開発により雨水流出量が増加し、浸水被害が頻発するなど治水安全度が低下しているため、1990年度から基幹河川改修事業により改修を進める。
上流部の甲府市部分も、昨年度から広域連携河川改修事業により改修工事に着手した。
全体計画区間は笛吹川合流点~中央道立体交差部で延長はL6900m。主要な構造物は、護岸、築堤、JR身延線橋梁および道路橋、東花輪川樋門1基。
本年度は、護岸工事およびJR身延線鉄橋の改築工事を行う。
【濁川河川改修事業】
都市計画道路和戸町竜王線の一部区間において、街路事業と連携し河川整備を進め、濁川流域の浸水被害の軽減を図る。
改修事業区間は城東4丁目省路橋~相生交差点で、延長はL1640m。主要な構造物はバイパス水路、道路橋2橋など。本年度は用地測量や用地調査を進める。
【御勅使川砂防事業】
御勅使川は、上流域の荒廃により土砂の流出や、度重なる出水により床固工の摩耗、欠損がある。そのまま放置をすれば、河床の低下、土砂流出が危惧されるため、早急に修繕を行う。これまでに床固修繕工4基が完了している。
通常砂防事業(緊急改築)・御勅使川床固工修繕工事として、南アルプス市有野地内で実施する。主要な構造物は床固修繕工14基。本年度は床固修繕工1基を進める。
【帯那川砂防事業】
帯那川は、上流域の荒廃により土砂の流出や、下流域において土砂災害の危険が大きいため、2013年度から火山砂防事業により砂防堰堤の整備を進める。 これまでに、砂防堰堤1基(H5・5m)が完成済み。
帯那川砂防工事は甲斐市上帯那地内で実施。主要な構造物は砂防堰堤2基でH7・5m、L97mとH5・5m、L26m)。本年度は砂防堰堤1基(H7・5m)を整備する。
■都市計画関係
【甲府駅南口周辺地域の再整備】
県と市による共同事業で、甲府駅南口駅前広場と平和通りを県都の玄関口にふさわしい美しく風格のある景観とする。
駅前広場は、歩行者にやさしい、山梨らしさが感じられる空間づくりを基本とし、歩行者優先の空間づくりやタクシープールの移設と安全でわかりやすい交通動線の実現、平和通りと一体となった緑豊かな美しい空間づくり、駐車場、駐輪場の整備などを施工する。整備面積は1万2200㎡。
平和通りは、風格と賑わいの感じられる緑豊かな開放的な空間づくりとして、アーケードの撤去(歩道のリニューアル)、歩道上のケヤキおよび中央分離帯、自転車通行空間、老朽化した道路施設等の撤去・改善などを行う。整備延長はL460m、W36m。
事業区分では、県側が甲府駅南口駅前広場整備(ロータリー、駐輪場、駐車場、広場)、ショットガン式タクシープール、平和通り整備を担当。
一方、甲府市では、跨線橋東駐輪場、観光案内所、市道舞鶴公園北通り線を進める。
本年度の目標として、▽一般車ロータリーの供用▽公共交通ロータリーの暫定供用▽中央工区道路工事▽中央広場大屋根建築工事▽中央広場整備工事▽信玄公像広場整備工事の発注-を目指す。
【和戸町竜王線(城東工区、中央5丁目工区)】
甲府都市圏のネットワークを形成し、アクセス性の向上を図る。城東工区は、濁川の河川改修事業と連携し事業を進める。延長幅員はL580m、W22mで本年度は用地調査などを行う。
【古府中環状浅原橋線(NTT西工区)】
甲府市内における渋滞の激しいNTT西交差点を中心に東西南北の約100mずつの区間改良を行う。延長幅員はL380m、W16~18m。本年度は用地買収のほか、道路改良や電線共同溝工事を行う。
【公園長寿命化計画による施設維持保全改修(2015年度新規)】
県内の県営都市公園では、2009年度より、主な県営都市公園で公園施設長寿命化計画の策定に取り組み、昨年度に主な県営都市公園の長寿命化計画を統合。全県的な基本方針を策定した。
◆小瀬スポーツ公園の長寿命化対象施設は、体育館・陸上競技場・野球場・武道館・アイスアリーナ・テニスコート・屋外便所・舗装・照明設備・ベンチ・階段など-738施設がある。そのうち本年度は、体育館や陸上競技場、野球場、武道館の改修を行う。
◆曽根丘陵公園は、研修センター・野外ステージ・屋外便所・舗装など-576施設があり、本年度は園路舗装の改修を行う。
◆緑ヶ丘スポーツ公園は、体育館・スポーツ会館・屋外便所・駐輪場・舗装など299施設が対象で、本年度は駐輪場改修を実施する
◆舞鶴城公園は、石垣・屋外便所・管理事務所・四阿・柵・水質浄化施設など89施設があり、本年度は木柵の改修を進める。
◆御勅使南公園は、管理事務所・屋外便所・シェルター・パーゴラ・遊具・舗装など690施設が対象で、本年度はパーゴラの改修を行う。