日本建設業連合会(日建連)は、鉄骨造建築物の「溶接標準」を策定した。会員企業はもちろん、会員以外の建設企業や設計事務所にも広く利用してもらいたいと、ホームページ上にデータを掲載している。
溶接要領の基準になるのは、日本建築学会の「鋼構造設計基準」「鋼構造接合部設計指針」、「建築工事標準仕様書JASS6鉄骨工事」、国土交通省干渉の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」があるが、要領がすべて一致しておらず、細かい部分で違いが見られた。このため、各社ごとに標準図を作成しているのが現状。鉄骨工場でも同じような溶接でも、企業によって仕様が異なり、「開先の角度が少し違うだけで、工場で使う道具が異なってくる。効率が悪い」と指摘する。
今回、まとめた統一的な指標は、これまでの基準などをすべて網羅している上に、最新の実験データによる基準も加えている。「この溶接標準を使用すれば、1つ1つの基準や指針を見比べる必要がない。小さな一歩かもしれないが、こうした積み重ねが業界全体の生産性向上につながる」とし、会員以外の企業や設計事務所で広く活用されることを強く期待している。