㈱E&CS(本社:神奈川県川崎市、社長・沼口栄助氏)と飛島建設㈱(本社:神奈川県川崎市、社長・伊藤寛治氏)は、日本発条㈱(本社:神奈川県横浜市、社長・玉村和己氏)と共同で、木造住宅用制振摩擦ダンパー「木造用リング摩擦ダンパー」を開発した。
同ダンパーは、国土交通省が定める壁倍率取得要件に適しており、同省より壁倍率2.3倍(認定番号 FRМ-0516)を取得したことも併せて公表した。取得したのは昨年8月19日で、日本では初めて。
同省より認定を取得したことで、①構造部材として扱える②従来と同じ設計手法で確認申請が行える。また、制振建物となるため、高い耐震性能が期待できる③他の部材と併用する場合、壁倍率5.0倍を限度として両者の壁倍率を加算できる④温度依存性が小さいため、1年を通して一定の性能が確保できるほか、構成部材が少なく、取り付けが容易-などの特徴がある。
従来の木造住宅では、地震でビスの抜けや筋交いの損傷等で、建物の耐震性能が低下する傾向があった。そこで、リング摩擦ダンパーを木造住宅に適用させ、「木造用リング摩擦ダンパー」を開発した結果、地震時の建物の揺れを低減するだけでなく、繰り返しの地震や大規模地震でも木造住宅の損傷を抑えられることが分かった。
飛島建設は「従来の筋交いと置き換えるだけで、木造住宅の耐震性能は大きく向上します。想定を超える超大規模地震の時は、ストローク・エンドにより、鋼製筋交いとして機能します。これにより避難する時間を確保し、人命を守ります」と耐震性の高さをアピールした。