県道路建設課は、国道143号青木峠トンネルの早期事業化に向けて調査を進める。道路のルートを比較検討するための概略設計についてはすでに開札済みで、現在は調査中。来週にも落札者が決定する(落札候補者はタイヨーエンジニア)。同課では9月以降に地質調査および環境調査を委託する方針。
3月から9月を履行期間とする道路概略設計の区間延長はL3.8km。トンネルや橋、道路のルート案を複数作成する。県は、どのルートで整備すれば安全に安くできるかなどを比較検討する。
概略設計後には地質調査、環境調査を委託する。進捗により、翌年度以降の予備設計などのスケジュールを検討する方針。
国道143号は、松本市から上田市に至る延長約56kmの区間で、第一次緊急輸送道路に指定されている。松本と上田の両方から道路整備が行われたが、青木峠の前後約11kmの部分は未整備。同区間は幅員が狭くカーブが多い(93カ所)のが特徴で、明治23年建設の2つのトンネルはすれ違いができず信号による片側通行を行うほか、高さ制限もあり大型車両は通行できない。物流や観光、防災などの面から、同区間における安全性の高いトンネル開通が地元から要望されている。
諏訪・松本・大北地区の市町村や経済団体、県建設事務所で構成する『本州中央部広域交流圏結節機能強化に関する検討会議』が15年12月にまとめた本州中央部広域交流圏の結節機能強化に向けた今後の方針では青木峠トンネルについて「県は事業化に向けて調査を実施するものとする」と提示。これを受けて阿部守一県知事は「東信と中信を結ぶ防災・観光・産業面で極めて重要な路線」との考えから、整備に向けて調査する方針を示している。16年度当初予算では調査委託費1000万円の予算を盛り込んでいる。