建設現場の生産性革命を目指す国土交通省の「i-Construction(アイ・コンストラクション)委員会」の最終会合が28日に開かれ、報告書案の内容を了承した。近く石井啓一大臣へ提出される。
報告書では、アイ・コンストラクションを進めるための視点を①建設現場を最先端の工場へ②建設現場へ最先端のサプライチェーンマネジメントを導入③建設現場の2つの「キセイ」の打破と継続的な「カイゼン」の3つに整理。各視点に基づき先行的に進める施策として、ICT技術を全面的に活用したICT土工、コンクリート工の規格標準化等による全体最適の考え方の導入、施工時期の平準化を図る。調査・測量から維持管理・更新までの建設生産工程における抜本的な生産性向上に取り組むことで最終的に全ての建設現場にアイ・コンストラクションの取り組みを浸透させる。
注目はICT土工の推進で、2016年度から公共測量マニュアルや監督・検査基準など3次元による15の調査・測量、設計、施工、検査の新基準、ICT建機のリース料を含む新たな積算基準を導入する。
先行施策による生産性向上効果として、国交省では1人当たりの生産性約5割向上を目指す。生産性向上に伴い、企業の経営環境改善、現場で働く人の賃金水準上昇、安定した休暇取得、安全な現場を実現させる。
また、報告書ではアイ・コンストラクションを推進する仕組みとして、官民連携コンソーシアムの設立、他の屋外産業との連携、海外展開なども提案。施策の具体化にあたっては内容を分かりやすく発信するとともに、地方自治体や建設企業とも連携を図りながら検討を進め、熟度が上がったものから順次実現を図ることを求めている。
国交省の徳山日出男事務次官は「4月から建設現場を変えるという動きを始める」とし、建設現場で働く全ての人が夢と希望を持てるような環境改善に意欲をみせた。
【写真=建設現場の生産性革命を目指す報告書案を了承した】