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新潟県交通政策局

空港アクセス調査報告まとまる新幹線延伸は422億

2016/06/04 新潟建設新聞

 新潟県は、新潟空港への新幹線乗り入れを含む軌道系アクセスの導入を検討した調査結果を公表した。軌道系アクセスには新幹線延伸と白新線延伸を想定し、概算建設費には新幹線案で422億円、白新線案では308億円を試算する。

既存需要だけでは事業実施は困難で、首都圏空港の補完で生じる需要を取り込む必要性があるほか、建設および運営に係る財源の確保や運送人数、運行ダイヤなど鉄道事業との条件の検討を課題としている。

 調査では、整備・事業運営手法、公的負担割合による資金調達など複数のケースで鉄道事業者に採算の可能性が出る条件を検討した。

 新幹線延伸案では、工事費に364億円、用地・補償費に58億円とされ、採算可能性として必要鉄道利用者数には年間176万人~718万人、新たに必要な空港利用者数は235万人~957万人、必要となる便数は1週間で244~995便とする。

 一方、白新線延伸案では、概算で工事費252億円、用地・補償費56億円を見込み、鉄道利用者数に134万人、空港利用者数は179万人、必要便数は186便とされる。

 新潟駅~東京駅での需要増加分の利益を含めた場合の採算性は、新幹線延伸案で、利用者数は年間11万人~42万人、空港利用者数は15万人~56万人、必要便数は1週間で16~58便。白新線延伸案では、鉄道利用者は年間9万人、航空利用者には12万人、必要便数は12便。

 県では今後、新潟空港アクセス改善研究会等で専門家の意見を踏まえて、関係者との協議を進める。

 調査業務はパシフィックコンサルタンツが担当。

 泉田知事は「関係者と協議し、実施可能なスキームを構築する努力の余地を感じる」と期待を寄せる。

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