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千葉県茂原市

事業費30億円で3・4㎞整備/茂原長柄スマートIC/20年3月完成へ準備着々

2016/07/08 日刊建設タイムズ

 茂原市などが事業主体となり圏央道に設置する「(仮称)茂原長柄スマートインターチェンジ」の準備作業が、2020年3月の完成を目指し着々と進められている。全体整備延長3・4㎞を茂原市(市道)、県(県道)、東日本高速道路(ランプ部)が分担し、事業を進める。茂原市は本年度、測量、地質調査などの委託費や工事費、補償費など合わせ総額1・7億円を予算措置。工事はアクセス道路となる市道の両脇の山林部の掘削工事とそれに伴う擁壁工事を予定している。

 同インターチェンジは、圏央道の利用者の利便性の向上や観光振興、企業立地や生産活動などの活性化を図るため、圏央道の茂原北ICと茂原長南ICのほぼ中間に当たる茂原市国府関地区及び長柄町力丸地区に設置する。茂原市と長柄町が事業主体となり、県、東日本高速道路との共同事業で、国などの関係機関と協議しながら2020年3月の完成に向けて作業を進めている。

 インターチェンジはフルインターで、ランプ部から茂原市道を経て県道千葉茂原線に接続する。全体整備延長はL3440m。内訳はランプ部(上下線)の施工延長がL2540m、アクセス道路部(市道)の施工延長がL620m、県道との交差点を含む県道部分の施工延長がL約280m。道路幅員はランプ部の高速道側がW14・5m、一般道路側がW8・5m。アクセス道路がW14・0m、県道部分がW13・0m。市道は既存市道の拡幅で対応。

 事業は自動車専用道路のランプ部を東日本高速道路、市道のアクセス部を茂原市、市道と県道との交差点改良とその周辺を県が担当する。

 全体事業費は約29・6億円。事業費は、県、茂原市、長柄町が約8・6億円、東日本高速道路が約1・7億円、日本高速道路保有債務返済機構が約19・2億円をそれぞれ負担する。

 東日本高速道路木更津工事事務所は昨年度、ランプ部2・5㎞と溝渠4基などの詳細設計を三井共同建設コンサルタント(千葉事務所・千葉市中央区中央2―5―1)に委託し実施。

 茂原市は2013年度でアクセス道路の詳細設計、14年度で市道上で二級河川豊田川に架かる岩出橋の詳細設計、昨年度で交差点の詳細設計などを実施した。設計はすべてセントラルコンサルタント(東京都中央区入船1―4―10)が受託した。

 岩出橋は、市道3級4017号線上で県道との交差点付近に架かる橋梁。アクセス道の整備に伴い架け換える。新橋は橋長約18m、全幅員15・5m(車道3m×2、歩道両側2・5m×2、路肩0・75mなど)。上部工は鋼合成桁ラーメン橋で、1スパン。市は設計まで担当し、工事は県が施行する。

 市は本年度当初予算で、①設計②物件調査③用地測量④地質調査⑤登記事務⑥地下水位観測⑦樹木伐採に1877万9000円、工事費6206万8000円、物件移転補償費に2279万9000円を計上。6月補正予算では埋蔵文化財調査と埋蔵文化財調査維持管理に3607万1000円などを追加した。

 このうち用地測量は、先月15日の入札で美幸測量と伸一測量設計が落札。また工事は今月6日に山林部掘削の一般競争入札を開札。浜谷総業が落札し、現在審査中。工事はアクセス道路となる市道3級4018号線の両脇の山林の掘削を行う。事業量は工事延長約200m、掘削3400立方m。また第3四半期には同工事に伴う擁壁工事の一般競争入札を公告の予定。事業量は延長約40m。

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