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茨城県水戸市

東町新体育館実施設計案/100億円以内に抑制

2016/08/25 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市は、東町運動公園新体育館の建設に向け、このほど実施設計案をまとめた。規模はRC一部S造3階建て、延べ1万6803・73㎡、建築面積1万1146・73㎡。総事業費は基本設計時の約103億5000万円から抑制し、100億円以内に抑えられる見通し。11月には清水建設㈱関東支店(埼玉県さいたま市)と建設工事の仮契約を締結し、12月議会での承認を目指す。年明けには着工し、2018年度内に完成、19年度早々に供用を開始する。

 新体育館は緑町2―9、5227、5446(敷地面積4万7848・1㎡)に整備する。設計は㈱大建設計(本社・東京都品川区)。

 19年開催の茨城国体でレスリング・フェンシング会場に決まっており一刻も早い供用開始が求められているため、実施設計段階で施工予定者を選ぶECI方式を採用することとなり、昨年11月に公募型プロポーザルを公告。清水建設を優先交渉権者に選定した。同社は見積合わせまでに地元2社を加えた共同企業体を結成する。

 建物は敷地中央部に配置。東・西・北側に駐車場を置き、北側はイベント広場として利用できるようにする。基礎構造については、支持層が浅い部分に位置するため、深層混合処理工法の地盤改良と直接基礎を併用する。

 主要室は、5000人収容のメーンアリーナが3255㎡。バスケットボールコート3面を確保できる。観客席数は3938席で、内訳は固定2382席、電動式可動席1260席、手動式可動席288席、車いすスペース8席。大型映像装置は2基を計画。屋根はフッ素ガルバリウム鋼板製かん合式瓦棒葺屋根で構造は張弦梁構造、天井はグラスウールボード、床はフローリング張りウレタン塗装を採用。サブアリーナは小規模大会や練習試合を行うことができるフロアとし、997㎡、198席とする。

 このほか、強化・競技拠点施設としてレスリング場410㎡、フェンシング場261㎡、ボクシング場317㎡。トレーニング室331㎡、多目的室377㎡、会議室400㎡、防災倉庫173㎡。エレベーターは一般用、一般および大型器具輸送用、来賓・運営者用の計3台を設置する。

 付属施設はバイク置場・自転車置場84・8㎡、屋外トイレ・倉庫棟77・5㎡、歩廊90㎡、車椅子駐車場160・72㎡、受水槽ポンプ室24㎡。

 外構関係は、駐車場603台、駐輪場105台、テニスコート(ハードコート)6面を整備する。

 防災計画としては、全館にスプリンクラーなどの自動消火設備を設置。停電時には、72時間運転対応可能型の自家発電設備で電源を供給する。太陽光発電設備はシステム容量50kw程度。雨水排水は桝・管渠・側溝を基本とし、敷地南側は法面となっているため非浸透の雨水排水施設とする。敷地の周囲には高さ1・5~1・8mのメッシュフェンスを設ける。アリーナの熱源は中央熱源方式とし、地下に都市ガス焚き吸収式冷温水発生機を設置する。

 アクセスは敷地北側の国道50号に接続する市道上市154号線(対向2車線、幅員10m)がメーンとなる。東側には新アクセス道路の整備を計画しており、延長約110m(幅員10m)を想定。北消防署と県立歴史館の間に設置し、敷地東側に整備する職員・競技関係者用駐車場と上市4号線を結ぶ。

 このほか、親水性のあるいこいの広場や偕楽園公園との連絡を可能とする階段も新設する。


 【図=外観イメージ、立面図、断面図】

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