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三の丸再開発準備組合/水戸市で都市計画案縦覧/10月ごろの決定目指す

2016/09/14 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸駅前三の丸地区市街地再開発準備組合が進める水戸駅前三の丸地区再開発事業の都市計画案の縦覧が、9月12日から始まった。水戸市都市計画課で26日まで意見書の提出を受け付けており、都市計画審議会を経て10月ごろの都市計画決定を目指す。その後は設計者を選定し、順調ならば2018年3月ごろにも着工する。規模はRC造地上18階・地下2階、延べ4万1600㎡。総事業費は約120億円。

 この事業は、地元地権者などが中心となり、水戸駅北口旧リヴィン跡を中心とするエリア(A約6750㎡)にマンション(130戸)やホテルなどを建設するもの。面積は住宅約1万8100㎡、店舗約3400㎡、業務等約2万100㎡。コンサルは㈱タカハ都市科学研究所(東京都港区)。

 水戸駅北口のペデストリアンデッキとデッキテラスでつなぎ、敷地東側にホテルを中心とする業務棟を配置。通路を挟んだ西側には店舗棟やマンション棟、住宅用タワーパキング(180台)などを置く。

 市が近隣に水戸城跡二の丸角櫓や土塀、大手門などの復元を計画していることから、外観は地域景観に配慮したものとする。マンション棟とホテル棟の間を金沢駅の鼓門のようなアーチで結ぶ案もあるようだ。駅を出てすぐ視界に入る建物であるため、水戸のまちの新たな象徴としての役割を果たすものになることが期待される。

 地下には駐車場(84台)、住宅駐輪場(272)、倉庫、防災センターなどを配置。駐車場へは西側の市道上市266号線から出入りすることになる。

 新設道路は、歩行者用通路(約110m、W6m)、歩道状空地1号(約110m、W1m)、歩道状空地2号(約90m、W2m)。歩行者用通路の出入り口には冠木門を配置し、敷地北側を走る市道上市267号線と接続する。南側から北側にかけて約10mの高低差があるため通路には階段を設ける。

 同組合はことし4月、事業推進活動への配慮を求めて市へ要請書を提出。マンションの保留床はフージャースへ譲渡する。ホテルについては4~5社が関心を示し、4社の中から選定を進めている。業務床は、準備組合員で理事の三井住友海上火災保険㈱(東京都千代田区)がグループ会社を含めて2フロアを使用する。

 その他の非住宅床は交渉を進め、教育文化系や物販系が候補。店舗については、権利者が権利床として半分程度を取得する見込みで、8割強の処分の目途が立っているという。

 市では9月議会へ上程した補正予算案に設計費の補助金3億3912万円を盛り込んでおり、今後も必要に応じて補助していく考え。組合では11月ごろにも設計業者を選定するようだ。来年度には事業認可、権利変換計画認可を受け、既存建物の解体に着手。できるだけ早期の完成を目指していくことから、施工者も設計に関わるような形になる可能性もあるもよう。


 【図=施設建築物配置図】

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