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三の丸再開発/基本設計は久米設計・パル綜合設計共同企業体

2016/11/09 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸駅前三の丸地区市街地再開発準備組合(水戸市三の丸1―1―10、林昌鎬理事長)が進める水戸駅前三の丸地区第一種市街地再開発事業で、マンション棟やホテル棟など施設建築物の基本設計を㈱久米設計(東京都江東区)と㈱パル綜合設計(水戸市)のJVが手掛けることがわかった。8日、水戸市が市議会都市建設委員会に報告した。契約金額は6195万9600円(税込み)。納期は来年3月24日まで。

 水戸駅北口旧リヴィン跡を中心とするエリア(A約6750㎡)にマンション(130戸)やホテルなどを建設するもので、建物の規模はRC造地上18階・地下2階、延べ4万1600㎡。総事業費は約120億円。それぞれの面積は住宅約1万8100㎡、店舗約3400㎡、業務等約2万100㎡。コンサルは㈱タカハ都市科学研究所(東京都港区)。

 11月2日には、再開発事業および地区計画の決定が県から告示された。そして7日、準備組合と久米設計・パル綜合設計JVが施設建築物基本設計の業務委託に関する契約を締結。来年3月24日までに策定作業を終わらせ、来年度から実施設計に着手し、2019年の茨城国体までの完成を目指していく。

 計画では、水戸駅北口のペデストリアンデッキとデッキテラスでつなぎ、敷地東側にホテルを中心とする業務棟を配置。通路を挟んだ西側には店舗棟やマンション棟、住宅用タワーパキング(180台)などを置く。

 市が近隣に水戸城跡二の丸角櫓や土塀、大手門などの復元を計画していることから、外観は地域景観に配慮したものとする。駅を出てすぐ視界に入る建物であるため、水戸のまちの新たな象徴としての役割を果たすものになることが期待される。

 地下には駐車場(84台)、住宅駐輪場(272台)、倉庫、防災センターなども配置。駐車場へは西側の市道上市266号線から出入りすることになる。

 新設道路は、歩行者用通路(約110m、W6m)、歩道状空地1号(約110m、W1m)、歩道状空地2号(約90m、W2m)。歩行者用通路の出入り口には冠木門を配置し、敷地北側を走る市道上市267号線と接続する。南側から北側にかけて約10mの高低差があるため通路には階段を設ける。

 マンションの保留床はフージャースへ譲渡する。ホテルについては4~5社が関心を示し、4社の中から選定を進めている。業務床は、準備組合員で理事の三井住友海上火災保険㈱(東京都千代田区)がグループ会社を含めて2フロアを使用する。

 その他の非住宅床は交渉を進め、教育文化系や物販系が候補。店舗については、権利者が権利床として半分程度を取得する見込みで、8割強の処分の目途が立っている。

 準備組合はことし4月、事業推進活動への配慮を求めて市へ要請書を提出。水戸市では補正で設計費の補助金3億3912万円を確保済み。今後も必要に応じて補助する考え。来年度には事業認可、権利変換計画認可を受け、既存建物の解体に着手していく。

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