水戸市は、新市民会館駐車場として整備を計画している水戸芸術館東地区の約0・5haについて、優良建築物等整備事業で約300台分の立体駐車場を設置する方針を固めた。施行者は市を含む地権者の共同体。併せて東側を走る市道上市196号線についても、現在の一方通行から対面通行とするため道路拡幅を実施する。順調ならば来年度から基本設計に着手し、新市民会館の整備が完了するが完成する2020年度の完成を目指していく。
整備場所は五軒町1丁目地内。権利者は、土地・建物所有権者が市を含め16人、借家人が5人。
公共駐車場の整備や防災性向上など都市機能の更新や地権者の事業継続、財源確保が可能となる優良建築物等整備事業で整備する。同事業は比較的規模の小さな事業を対象としてスピーディーに進めることができる任意の再開発事業。国庫補助は3分の1。
現在は㈱山下設計(東京都中央区)で基本計画をまとめているところ。当初は市有地および市有地南側のエリアを想定していたが、地権者との交渉の結果、市有地北側のエリアについても事業区域に含み、市道187号線まで拡大することとした。
立体駐車場は経済的な構造とし、円滑な入出庫の車両動線や芸術館の景観に配慮した配置にする。完成後は市が取得する。南側は商業ゾーンとし、一部地権者の業務継続の意向に沿って従前権利相当分の商業棟を整備する。
当初は水戸京成パーキングプラザ西側(A830㎡)についても駐車場とする計画だったが、事業地区の拡大に伴い、大型バスなどの待機スペースとして活用することにした。
今後のスケジュールは、来年度に事業採択、基本設計、建物調査、資金計画などを進める。18年度には実施設計、等価交換計画、用地補償を実施。19年度から建物除却、整地工事、施設建築物工事に着手し、20年度の完成を目指していく。
東側を走る市道上市196号線は、駐車場整備に伴う交通集中の円滑な処理を図るため、現幅10・5mから12mに拡幅し、対面通行ができるようにする。スケジュールは、17年度に測量調査、道路設計、用地補償を行い、18年度から用地補償や工事に着手する。
概算事業費については、次回の市議会特別委員会で明らかになる見通し。
なお、新市民会館の規模はRC・S・W造4階建て、延べ約2万1800㎡(建築面積約6600㎡)。概算事業費は約192億円。大ホールは2000席、500席の多機能ホールや大会議室、展示スタジオなどを備える。商業施設(合計1000㎡)は1階部分の国道50号側と西側に配置。
設計は㈱伊東豊雄建築設計事務所(東京都渋谷区)と㈱横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)のJV。18年度から3カ年で解体工事や施設建築物工事を進め、20年度内のオープンを予定している。
【図=位置図、芸術館東側に立体駐車場を整備する】