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茨城県水戸市

水戸市芸術館東地区の優良建築物等整備事業/事業費は約25億円/300台の立駐や商業施設

2017/01/26 日本工業経済新聞(茨城版)

 水戸市市議会新市民会館建設及び周辺整備調査特別委員会が24日に開かれ、執行部が水戸芸術館東地区(約0・5ha)に整備する新市民会館整備に伴う駐車場について説明した。それによると、整備は水戸芸術館東地区優良建築物等整備事業で進め、敷地北側には5層6段の立体駐車場(約300台)、南側には700㎡程度の商業ゾーンを配置する。総事業費は約25億円。併せて東側を走る市道上市196号線についても、現在の一方通行から対面通行とするため道路拡幅を実施する。

 整備場所は五軒町1丁目地内。施行者は市を含む地権者の共同体。権利者は、土地・建物所有権者が市を含め16人、借家人が5人。

 市では泉町1丁目北地区に新市民会館の整備を計画しており、駐車場の不足が予想されるため、近隣の水戸芸術館東地区に新たな立体駐車場を整備する。当初は市有地および市有地南側のエリアを想定していたが、地権者との交渉の結果、市有地北側のエリアについても事業区域に含み、北側の市道187号線まで拡大することとした。

 規模は約28m×約57mで、高さは約20mを見込む。円滑な入出庫の車両動線や芸術館の景観に配慮した配置にする。完成後は市が取得する。

 当初は水戸京成パーキングプラザ西側(A829・81㎡)についても駐車場とする計画だったが、事業地区の拡大に伴い、大型バスなどの待機スペースとして活用する。大型バス9台が駐車可能となる平置き、大型バス3台、普通乗用車18台程度が駐車可能な自走式立体駐車場(1層2段)を検討しており、平置きとなる可能性が高そうだ。

 南側は商業ゾーンとし、一部地権者の業務継続の意向に沿って従前権利相当分の商業棟を整備する。執行部の説明によれば、地権者数名が意向を示しており、建物は700㎡(2~3階)程度を想定している。

 今後のスケジュールは、新年度に事業採択、基本設計、建物調査、資金計画などを進める。2018年度には実施設計、等価交換計画、用地補償を実施。19年度から建物除却、整地工事、施設建築物工事に着手し、20年度の完成を目指していく。

 東側を走る市道上市196号線は、駐車場整備に伴う交通集中の円滑な処理を図るため、幅員を現在の10・5mから12~14mに拡幅し、対面通行ができるようにする。スケジュールは、17年度に測量調査、道路設計、用地補償を行い、18年度から用地補償や工事に着手する見通し。

 なお、新市民会館はRC・S・W造4階建て、延べ約2万1800㎡(建築面積約6600㎡)で計画。設計は㈱伊東豊雄建築設計事務所(東京都渋谷区)と㈱横須賀満夫建築設計事務所(水戸市)のJV。18年度から3カ年で解体工事や施設建築物工事を進め、20年度内のオープンを予定している。


 【図=位置図、配置図】

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