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i-Constructionコンクリ工、スランプ参考値12センチで県も基準の検討へ

2017/03/31 長野建設新聞

 国土交通省が、流動性を高めた現場打ちコンクリートの活用性に関するガイドラインをまとめた。i-Constructionの取り組みのうち、コンクリート工の規格標準化の一つとして行っているもの。ガイドラインでは、固まる前のコンクリートの柔らかさ・流動性を示すスランプ値について現行規定8cmから『参考値12cm』としている。値は施工者が決める。国交省は地方整備局作成の基準書類を改定し、4月以降に入札手続きを行う案件から適用する。一方、県建設部技術管理室では、関東地方整備局からのスランプ規定見直しに関する通知を受けた後、県としての基準を検討する方針。

 国交省が作成したガイドラインでは、スランプ値を12cm以上にした場合の技術的な留意事項や施工時における品質確認上の留意点を明確化している。

 現在の工事発注時におけるスランプ値は8cmがほとんどで、変更する場合は受発注者が協議して実施している。耐震性能を高めるために鉄筋コンクリート構造物の配筋が高密度化する中、現行規定8cmのもつ流動性では打設効率が低下する。しかし近年は化学混和剤の開発が進み、コンクリートの品質に影響を与えずに必要な流動性を得ることが可能となっている。このためスランプ規定の見直しが行われ、施工性は受注者の裁量とすることとなった。

 スランプ値を12cmに変更した場合、コストは同等ながら時間当たりの打ち込み量が増えて作業人員が減るため、施工性は2割ほど向上する見込み。

 発注時(積算時)のコンクリート単価算出に必要なスランプ値は参考値として示し、契約後に受発注者でスランプ値を確認、変更の場合は契約変更の対象とすることになる。


●県も関係者要望踏まえ基準作成へ

 県技術管理室では、スランプ規定見直しについて関東地方整備局からの通知が来た後に、県としての対応を練る方針。業界関係者の意見・要望を踏まえつつ、県としての基準案を作成する。基準案は県建設部職員で構成する技術委員会で審議し、委員会の了承後に基準として示すことになる。同室では「コンクリートについてあまり詳しくない建設業者も対応できるようにしなければならない」と考えている。

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