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山梨県峡東建設事務所

上萩原Ⅲ期バイパスはトンネル工や橋梁工 県峡東建設事務所の17年度事業

2017/05/17 山梨建設新聞

 県峡東建設事務所(佐藤昭夫所長)は、2017年度の主要事業をまとめた。国道411号上萩原は供用に向けトンネルと橋梁工を推進し、勝沼拡幅は用地買収とともに歩道・電線共同溝の整備を進める。河川砂防では平等川山沢橋架け替え、都市計画では塩の山西広門田線の電線共同溝などを計画している。

 道路事業では、Ⅲ期バイパスに着手している国道411号上萩原については、昨年度に(仮称)柳沢第一トンネル建設(L162m、請負業者=昭和建設・植野興業・岩波建設JV)と(仮称)上萩原3号橋橋梁下部(逆T式橋台1基など、請負業者=昭和建設)を発注。継続して事業推進を図る。同線の勝沼拡幅では、等々力交差点側から歩道設置と電線共同溝を順次進めていく方針。

 河川・砂防における主な事業としては、平等川の河道拡幅、宮ヶ入沢の渓流保全、日川の堰堤改築を挙げている。

 都市計画による街路については、塩の山西広門田線で年度内の供用開始を目指して電線共同溝と道路改良に取り組むほか、山梨市駅南線では継続して用地買収を進める計画だ。

 峡東建設事務所の主要事業は次のとおり。

□道路事業

【国道411号上萩原Ⅲ期バイパス(甲州市上萩原)】

 東京都八王子市を起点とし、丹波山村、甲州市などを経由して甲府市に至る幹線道路である国道411号は、災害などの緊急時の避難・救援道路としても重要な路線であり、第一次緊急輸送道路に指定されている。

 特に、甲州市塩山上萩原地内は急カーブが続く山岳道路で、道路法面の崩落が頻発するなど交通の難関となっており、走行の安全性確保や防災対策を目的に順次バイパス建設を進めている。

 第Ⅲ期バイパスは延長1900m、幅員5・5m(全幅7・0m)。トンネルを2カ所、橋梁は3カ所を整備し、全体事業費は約50億円を見込んでいる。15年度に一部(延長700m)供用を開始した。16年度にはトンネル工事や橋梁下部工事等を発注し、17年度は引き続き残る橋梁工事とトンネル工事を進め、早期の供用を目指していく。

【国道411号勝沼拡幅(甲州市勝沼~等々力)】

 本路線の勝沼町山~等々力間約2㎞は、道路幅員が狭く大型車同士のすれ違いが困難なことなどから、朝夕の通勤時間帯には交通渋滞の原因となっている。また、歩道も未整備区間が多く非常に危険な状況で、通学児童や観光客などの安全性確保が課題となっている。

 このため、道路拡幅事業により道路の両側に十分な歩道を確保するとともに、景観や防災面に配慮して電線類の地中化を行う。

 全体計画は延長2000m、幅員6・5m(全幅13m)。総事業費は約50億円。16年度は用地買収を行うとともに、電線共同溝工事等を実施した。本年度は引き続き用地買収を進めるとともに、等々力交差点より順次、歩道設置、電線共同溝の工事を行う予定。

【国道137号新御坂トンネル補修(笛吹市御坂町藤野木)】

 新御坂トンネル(延長2778m)は、1967年(昭和42年)4月に供用を開始した甲府都市圏と富士北麓地域を連絡する重要な役割を担う路線である。

 2014年5月の天井板の撤去に始まり、覆工コンクリートの剥落防止対策や経年劣化に伴うトンネル内の舗装補修工事を施工。今年度は、引き続き剥落防止対策を実施する。

 今後は「山梨県トンネル維持管理計画(14年11月)」に基づき、トンネル点検を行いながら老朽化対策に必要な補修工事を進めていく。

□河川砂防事業

【平等川河川改修(笛吹市春日居町鎮目)】

 富士川水系平等川において台風や豪雨等による河川の氾濫を防止するため、笛吹市春日居町鎮目地内から上流700mについて河道拡幅工事を進めており、本年度は山沢橋の架替工事を実施する予定。

【宮ヶ入沢砂防事業(笛吹市芦川町上芦川)】

 富士川水系芦川に流下する渓流の宮ヶ入沢は、保全対象として、上芦川集落の人家、第二次緊急輸送道路である主要地方道笛吹市川三郷線、上芦川農業集落排水場等の公共施設があり、12年度から砂防堰堤1基および渓流保全工を整備する事業を行っている。昨年度に砂防堰堤工事が完了し、本年度は引き続き渓流保全工の工事を実施する予定。

【日川砂防事業(甲州市大和町木賊)】

 富士川水系日川の流域の保全対象としては多くの人家や保育園、老人ホーム、公民館、国道20号等の公共施設がある。既設の天目堰堤は損傷箇所が著しく、現行基準を満たしていないことから基準を考慮した緊急改築事業を実施する。本年度は引き続き工事用道路工の整備を進め、堰堤の緊急改築に着手する予定。

□都市計画事業

【塩の山西広門田線Ⅱ期(甲州市塩山上於曽)】

 塩の山西広門田線の延長870mにおいて道路幅員を17mに拡幅、歩道を整備。併せて電線の地中化を行うものであり、Ⅰ期工事として延長560mを1998年度から2011年度までに整備した。現在行っているⅡ期工事は、残る延長310mを10年度から18年度までの計画で進めている。昨年度までに用地買収を全て完了し、本年度は電線共同溝工事と道路改良工事を実施。年度末をめどに完成、供用開始を予定している。その後、共同溝への通線工事を実施する予定で、総事業費は9億円。

【山梨市駅南線Ⅰ期(山梨市上神内川)】

 都市計画道路山梨市駅南線の延長720mにおいて幅員を17mに拡幅する事業で、12年度から7カ年の予定で着手している。本事業により車両および歩行者の安全性の向上、交通渋滞の解消、周辺地域の活性化など、さまざまな効果が期待される。昨年度まで進めてきた用地買収を本年度も引き続き実施していく予定。概算事業費は28億円。

【写真①佐藤所長②Ⅲ期バイパス工事を進めている国道411号上萩原③昨年度完成した宮ヶ入沢の砂防堰堤】

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