リニア中央新幹線建設促進に向けた県期成同盟会の2017年度定期総会が18日、昭和町のアピオ甲府で開かれた。総会では決議として、本体工事の発注で県内企業の受注機会拡大への配慮をJR東海に求めること、駅周辺施設や関連交通インフラ整備、リニアによる移転公共施設に対する十分な予算措置を国に求めることなどを決めた。
同盟会会長の後藤斎知事はあいさつで、リニアの圧倒的な輸送スピードにより、本県にとっては1982年(昭和57年kの中央自動車道の全線開通以上の大きな効果が期待されると指摘。
「リニア開業効果を山梨の発展につなげ、開業を見据えた新たな地域づくりを創造していくため、リニア駅から30分で到達できる圏域の拡大など交通体系を整えるとともに、リニア環境未来都市整備方針を策定した。中央新幹線の建設と、その先にある『世界の中で一際輝くやまなし』を作り上げていくため、ご理解とご協力を」と述べた。
また、JR東海による用地取得への中心線測量が一部の区域を除いておおよそ終了し、測量調査を進めていること、県内でもトンネル工事が進捗していることに触れ、
「地域のご理解を得ながら、JR東海、関係市町と連携を図り、確実に2027年の開業に向けて建設を促進してまいりたい」と述べた。
その後、県議会の鈴木幹夫議長が早期開業へ期待を寄せ、JR東海の金子慎代表取締役副社長が、リニア建設の進捗状況などを紹介し、関係者の理解と協力を求めた。
議事では、17年度の事業計画などを承認した。17年度も、リニアの早期実現へ関係機関への陳情活動、県民への啓発活動、リニアを活用した活性化策の検討などを行う。
最後には、リニア早期実現に向けた決議を採択した。
JR東海による県内のリニア建設状況は、工事は、南アルプストンネル山梨工区(早川町)に15年12月に、第四南巨摩トンネル新設西工区(同)に16年7月に着手。甲府盆地の地上区間では、事業用地が確定した箇所について用地測量などを実施している。
県では、リニア駅の周辺や近郊を対象にリニア環境未来都市整備方針を策定し、17年度は地形測量や造成計画などを進める。17年度からはリニア環境未来都市推進室も設置し、リニア用地事務所の人員も増員した。
リニア建設促進期成同盟会
決議(要旨)
◆JR東海は、本体工事の県内企業の受注機会拡大に配慮し、関連工事を委託し地方自治体からの発注とするなど、地域の活性化に資するよう努めること。
◆国は、リニア駅周辺整備事業を国の重点施策に位置づけ、十分な予算措置を講じること。
◆国は、地方が行うリニア関連交通インフラの整備に十分な予算措置を講じること。
◆国は、リニアに伴う公共施設の移転整備などに十分な予算措置を講じること。
【写真=総会】