農林水産省北陸農政局は、農業用水の安定供給に向けた「国営信濃川左岸流域土地改良事業」を見直し、水利システムの再編事業に着手する。21日に「信濃川左岸流域農業水利事業所」の開所式を挙行し、事業の船出を祝った。
8月1日に県長岡地方合同庁舎6階(長岡市千歳)に設置された事業所開所式には、関係9機関から約30人が出席。事業所の大型看板の上掲を見守った後、関根清所長が事業概要を説明した。
本事業の受益面積は長岡市、小千谷市の水田4501ha。2017年度~25年度を予定工期に、200億円の総事業費を投入し、頭首工一式、揚水機場一式の改修、幹線用水路L13kmの改修、水管理施設一式の改修工事を行う。
本年度の予算額は2億円としている。
式辞を披露した印藤久喜北陸農政局長は「本土地改良事業は1979年~95年に第2期改修を行ったが、近年の老朽化により水管理に苦慮していることから、ゲートなどの全面更新をしたい。安心して農業を営み、儲かる農業にチャレンジされることを祈念する」と祝意を示した。
完成まで9カ年を要する本事業の効果として、農地集積の促進、年間約3000万円の維持管理費軽減、約52億円の年間農業粗収益の維持が期待される。
【写真=事業所名が記された大看板を上掲】