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国土交通省北陸地方整備局(建設)

北陸地整、小俣篤局長インタビュー

2017/09/09 新潟建設新聞

 就任会見で「生産性革命は、本気で変えていくことが大事」と強調する一方で「建設業界との対話も必要」と双方向であることを示した。このことについては「施策や取り組みは、私たちの独りよがりではダメ。近年行われているモデル工事や試行工事でフィードバックし、意見交換を通じ受発注者が対等の立場で施策を一緒にやっていく。本当の思いを行政が汲み取ることが大事」と、あらためて方向性を示した。

 大河津分水路改修については「大規模プロジェクトは技術的な課題により事業費が膨らむ傾向があるが、行政の反省すべき点。大河津については、防災事業であることから早く完成させることが一番重要であることに変わりはないが、施工期間も含め第三者の目で見てもらいながら進める仕組みを取り入れた。技術力を発揮してコストを管理しながら、早く確実に事業を進めることが重要」と意義を述べた。

 担い手確保・育成に向けては「ICTを通じ、若い人にとって魅力ある格好いい仕事にしたい。土木は地味、血と汗と力のような前近代的なイメージを持たれるが、建設機械はロボットを操縦する感覚だとも思う。新しい土木のスタイルやイメージを確立し担い手の確保につなげたい」とも。

週休2日についても言及。「日給月給など給与の問題もあり必ずしも簡単ではない。一つ一つハードルを乗り越えていかなければならない。行政は旗を振り続けることが重要。小規模な会社ですぐに実現は難しいと思うが、少しずつ広げていければと思う」と抱負を述べた。

 これまでの職務を通じては、茨城で鬼怒川の堤防決壊を目の当たりにしたほか、京都や名古屋でも河川氾濫による大水害の一歩手前までの様子を見てきた。このため「大規模な土木施設は整備に10年20年という時間が必要。しかし着実にやるかどうかで明暗が分かれる。何もないときにこそ整備することが大切」と強い思いを込めた。

 今後については「日本は災害が多発するほか、新しい物流の動きや海外との関係の変化への対応から、社会基盤をつくる仕事として、まだまだやるべき事が数多くある」。また「建設業界の皆さんは災害発生直後から現場で建設機械を動かしている。この努力に感謝するとともに、行政としては、若い人達や住民に、これらのことを分かりやすく伝えることも大事な仕事。共に頑張りたい」とメッセージ。

【写真=本当の思いを汲むことが大事と強調】

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