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異業種視点で工事現場の安全パトロール

2017/10/11 新潟建設新聞

 建設業労働災害防止協会新潟県支部三条分会(小柳直太郎分会長)は先ごろ、加茂病院改築建築工事で、異業種の労働災害防止団体を交えた合同の現場安全パトロールを実施した。

 業種の枠を超えた広い視点で建設現場の安全パトロールを行い、他業種の安全対策を協議・共有し、安全衛生対策の事例を学ぶことで、地域全体の安全水準の向上を目指す。三条労働基準監督署管内では初めての試みで、三条労働基準監督署管内の7団体、25人が参加。工事の説明を受けながら、現場を回り隠れた危険に目を光らせた。

 加茂病院改築工事は施工を戸田建設・加賀田組・小柳建設JVが担当しており、現在、基礎工事が進められ進捗率は20・5%。稼動する既存病院敷地内での改築事業で作業ヤードが限られるほか、市街地にあり小中学校も近いなど課題が多いが、2016年7月の工事着手以降から9月30日現在までの約4万99344時間の間、労働災害ゼロを継続している(不休災害1件)。

 参加者からは「安全通路が定められている」「開口部での墜落防止対策が図られている」などの取り組みが評価された一方で「材料一部が通路にはみ出していた」「作業主任者や足場の最大荷重を明示した方が良い」などの指摘を受けた。

 三条労働基準監督署の大瀧謙太署長は「全業種で共通して危険に対する『見える化』の意識を持っていただきたい。きょうの現場は高い水準で実施されており、危険な場所は誰が見ても危険と分かるよう心配りをお願いしたい」と要請した。

 施工者である戸田建設JVの遠野篤視作業所長は「これからの季節は、現場の作業環境が厳しくなり、より危険性が増す。今回ご指摘いただいた内容を踏まえて各社が協力し、完成まで安全施工で、無事故・無災害を目指したい」と決意を新たにした。

 小柳分会長は「近年、産業界共通の課題として従業員の高齢化、担い手の確保育成が問題視されている。働き方改革、職場環境の改善が求められ、労働災害はもっとも避けなければいけない、何よりも優先される事項」と語る。

【写真=合同で安全確認】

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