さいたま市は、地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)延伸協議会の第2回を書面会議で進めている。1月22日に会合を予定していたが積雪の影響で延期となったことに対応するための措置。議題は、下部組織となる各分科会の協議状況や、同線延伸の意義・必要性について。各委員へ資料を配布し、7日までに意見を募っている。第3回会合は3月上旬の開催を予定し、これまでの検討を総括する。
地下鉄7号線の延伸計画は、浦和美園駅から蓮田駅までの区間に鉄道路線の新設を目指すもの。浦和美園~岩槻駅間の約7・2㎞を先行整備区間と位置付け、鉄道空白地帯が生じないよう、区間内に「中間駅」の設置を想定している。
実現に向けて市は、有識者らで構成する同協議会と、その下部組織となる鉄道分科会、まちづくり分科会を設置し検討を進めている。
鉄道分科会では、概算建設費やスケジュール案の整理、需要予測などに取り組んでいる。現時点では、最短8年間をかけて整備するとし、概算で860億円を投じると試算。需要予測については複数のパターンで検証を行っており、月内開催予定の第3回分科会で、さらなる評価を進める。
一方のまちづくり分科会では、延伸地域周辺の土地開発などについて検討。中間駅周辺のまちづくり方針案として、産業誘致などにより交流人口の創出を図る方向性を打ち出している。
市は、延伸の整備効果として▽利便性の向上や他路線の混雑緩和▽鉄道不便地域の解消などによる高齢社会への対応▽沿線まちづくりとの連携▽高速道路と鉄道の連携――などを挙げる。
また、県東部と都心部のアクセス性向上にも期待する。都心部の沿線では複数の市街地再開発事業が進められているほか、東京大・中央大・法政大・上智大・慶応大など多くの大学が立地している。
【図】地下鉄7号線延伸のイメージ図(協議会資料より)